これまでのあらすじ
レゾナンスギアを介し、レイルとアルカは二人でのツヴァイヘンダー起動に成功した。
だが、そこで不可思議な幻覚...いや、過去の記憶が同期データとして流れ込んでくる。
二人の過去と因縁とは...?


ストーリー:カウンター・アタック
第20話「調和レゾナンス②」


...夜、雨が強くなり、微かに雷の音が聞こえ始める。
霞んでよく見えないが、アルカはメッサー本社ビルの前に到着したようだ。
「あ、みんな、こんな所にいたんだ」
入り口近くに三つの人影、服装から察するにアルカの家族だろうか...?


「ねえ、こんな所にいたら風邪引いちゃうよ、早く帰ろうよ.....?」
おかしい。
なぜこんな大雨の中で傘もささずに立っていたのだろう?
「ああ、アルカじゃないか、うっかり傘を忘れてしまったよハハハ」


「ええ、うっかりだったわアハハ」
「そ...そうなんだ、お姉ちゃんも傘忘れちゃったの...?」
(待てアルカ、あれに近づいちゃだめだ!あれは.....!!)
「ええ、だから一緒に帰りましょ...」


近くの建造物に雷が落ち、一瞬だけ辺りが明るくなる。
「っ....!?」
本社前の花壇に放置されている、ボロボロになったピンクの傘がアルカの視界に映り込んだ!


ーーー
...アルカは何が起こったのかも理解できないまま逃げ出し、
衛生マスクを着けた子供のような男にぶつかる直前で受け止められていた。
「おお、危ない危ない....ん?確か君は...」


0101010010010010101010


一方その頃、アルカ・クライアは荒野の真ん中に立っていた。
(あれ...僕はさっきまで機体の中にいたはずじゃ...)
荒野の中、同じ服装、同じ顔の二人の赤髪の男はただただ歩き続けている。
(レーラビくんが...二人?...)


だが二人の男の前に、赤紫の髪の、見覚えのある男が立ち塞がる。
(あ、あの人は...)「レーリレイ...!」
「いい加減無駄な抵抗は止めて我々の所に戻ってきたらどうだ、レイルレーラビ?」
「くっ、ここまで追ってくるのぜ...ここは二人で協力して戦うぜ!」


「いや、俺たちが何人束になっても調整済みのあいつには"絶対に勝てない"、お前だけで逃げろ...」
「そ...そんな!やめるぜ!」
だがもう一人のレイルはレイルの制止を振り切りレーリレイの前へ出る。


「フン、言語システムに問題のある不良品の中の不良品を逃したか...無駄な足掻きを」
「そいつはどうかな...俺はあいつならこの状況を何とかしてくれる、そんな気がするんだ」
「...戯れ言を!」「お前がな!」
激突するレーリレイともう一人のレイル!


ーーー
もう一人のレイル・レーラビはただひたすらに逃げた...が、ついに身体が限界に達し、夕暮れ時のジャンクヤードで力尽きたのだった。
「た...助けて欲しいぜ...」
そして、その場に偶然居た少年に助けを求めたのだった。


1001010010101010111001001


次回、第21話「調和レゾナンス③」に続く。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2017年01月10日 15:45