これまでのあらすじ
昔どこかで聞いたおとぎ話。
眠りの呪いにかかったお姫様が、その呪いを利用して遠い未来の王子様に会いに行くっていうお話。
...え?どうしたのレーラビくん、何か違う?


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第02話「雪原のレイル・レーラビ②」


局地的氷雪地帯、最奥地。
...そこには、樹木やビルがそのまま氷漬けになっている奇妙な光景が広がっていた。
看板にこびり付いた氷を手で払うと、"Messer"の刻印が現れる。
「...また、ここなのぜ」


レーラビは、少女アルカに「いずれ、俺たち"兄弟"が会う日が来るぜ」とだけ伝えて人間の街まで送ってやった。
「アルカ、ぜ」
...優しい彼女なら、それまで人間として生きていけるはず、そう信じて。


ーーーーー


...凍った瓦礫の山の頂上、巨大な氷の人型が突っ立っていた。
レーラビは、最早唯の氷の塊と化した巨人の背部ハッチをこじ開け、そこを覗き込む。


「...アルカ、ツヴァイを起こしてまで俺に会いにきてくれたのぜ」
氷の棺の中で、少年アルカ・クライアは安らかに眠っていた。

ツヴァイヘンダーの調和能力"ジ・アブソリュート"。生命そのものすら凍結させる能力。


アームヘッド、レイルレーラビは、右腕部からハンドホーンを展開、氷の人型をアームキルした。
...アームキルを受けたバイオニクルフレームは粒子配列の異なるテトラダイ粒子に拒絶反応を起こし、自壊した。


ーーーーー


「ふああ...すごくよく寝た」
「...アルカ!」
「あっレーラビくん、おはよう」
「お、おう、おはようだぜ」


「僕、どれだけ寝てたの?」
「とても、長い時間だぜ、その...」
「どうしたの、レーラビくん?」
「...急にいなくなって、すまないぜ」


「いいよ、こうしてまた会えたし」
「だが...君には辛い思いをさせてしまったぜ」
「でも、そうしないと...多くの人がもっと辛い思いをしてた」
「アルカ...」


「レーラビくん、泣いてるの?」
「...アームヘッドは、泣かないぜ」


ーーーーー


...僕達は家に帰る事にした。
でも、もう、あの時のジャンクヤードは残っていなかったし、家も風化した鉄骨だけになっていた。
「...これから、どうするぜ?」


「...どこか、遠い所へ行こう。
...僕達二人でなら楽しいよ、きっと」
僕達の家の天井から、綺麗な星空が見える。


次回「カセットの国」に続く。



  • アルカ・クライア
レーラビの探していた少年。
あるアームヘッドの"凍結"の調和能力を使い、ネクストエイジの時代まで眠っていた。


  • アルカ・クラララ・リグ
ピンク色の髪の少女。
レイル・レーラビと同じく"ファクトリー"に関わるファントムであり、アルカ・クライアに近い特徴を持つ。



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最終更新:2017年01月15日 18:55