これまでのあらすじ
惑星ヘブンのどこか、「ファクトリー」と呼ばれる謎の地下工場内。
そこではあるモノを組み立て、直後に解体するという意味不明なプロセスが延々と繰り返されていた。


アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第06話「キリキリ・レイ・ラグラグ・リリリリリ」


...真っ白な正方形の窓の無い部屋に、白髪の少年が一人。
『シリーズRRRRRRRRRR。起動テストを行います、意識はありますか?』
壁に埋め込まれたスピーカーから無感情な音声、それに頷く少年。


『...起動を確認、次のプロセスに移行します』
丸い銀色の光線銃を一丁手渡され、部屋の扉が開く。
『貴方はセクト866に配属されます』
扉の向こうには、白い壁と床の迷宮のように長い廊下...小型アームヘッドなら通行できる程度の広さだ。


迷宮の一角では、セクト866の少年達が集められていた。
「...セクト866ってなんだろう」
「わからない、僕達が866なら865もいるのかな」
...その少年達は何故か全員同じ顔、同じ白髪だった。


「君も、キリキリレイラグラグリリリリリっていう名前なの?」
「奇遇だね、僕もキリキリレイラグラグリリリリリだよ」
この迷宮内には、無数の「キリキリレイラグラグリリリリリ」が存在するようだ。


『第9437回、選別プロセスを開始します、各位戦闘配備』
「戦闘?戦うの?」「この銃で戦えばいいの?」「何か来るの?」「君は知ってる?」「しらないよ」
困惑する白髪の少年達に、通路の先から赤い光が照射され...


閃光!
強烈な攻性テトラダイ粒子が迷宮の壁ごと焼き尽していく!
『セクト473、598の消失を確認』
砲撃と共に通路の奥から現れた四脚のアームヘッド!


四脚のアームヘッド"エクスキューション"は、細い足を壁に引っ掛け、胴体に格納された攻性テトラダイ粒子砲の再チャージを開始!
ワンテンポ遅れて白髪の少年達も光線銃で反撃を開始する!


ーーー


...あまりにも一方的な戦闘だった、光線銃の火力は対人兵器程度の火力しかもっておらず、彼らは攻性テトラダイ粒子砲で次々と焼き払われたのだった。
迷宮のあちこちに焼け焦げた残骸が散らばり、その上をエクスキューションが進んでいく。


無数の残骸に紛れ、二人の少年が倒れていた。
まだ息がある二人へ向け、粒子砲が発射されようとするが...
このタイミングで"偶然"砲身が熱暴走を起こし、エクスキューションは停止した。


『選別プロセス中断...候補者二名を回収します』
次回、第07話「キリキリ・レイ・ラグラグ・リリリリリ②」に続く。



  • エクスキューション:Factory-type01
"ファクトリー"の製造した、四脚の無人アームヘッド。
迷宮内の壁を歩行し身体を固定する為の特殊脚部、4門の攻性テトラダイ粒子砲など、閉所での戦闘に特化している。



タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2017年03月08日 01:20