これまでのあらすじ
わたしハリッコだけど、レギちゃんから貰った《レーヴァテイン》っていうアームヘッドに乗って、ファクトリーと戦う事になったわ。
倉庫外で待ってるレレラちゃんの事も心配だし、早く戻らないと…


アームヘッド・ストーリー:カウンター・アタック外伝「スネーク・フット④」


…暗い地下鉄道内。レレラの周囲には、無数のファントム兵の残骸と破棄された重火器が散乱していた。
「ちっ、キリがありませんわ」
損傷した敵の装甲からはみ出たピンク色の"何か"が床に落ち、べちゃりと不快な音を立てる。


束の間の静寂の中、暗闇から現れる青い髪の少年…
「貴方は…」
頭部の金属片から、ファクトリーのファントムである事が伺える。
「私は"ルラ・リリ・レギレイ"…レギュレーター03の権限を付与された第6の尖兵だ」


「シリーズRR、お前には廃棄命令が出てい…」
会話が終わる前に轟音と粉塵!レレラがガトリングガンとグレネードランチャーで先制攻撃を仕掛けたのだ!
「…おしゃべりなロボットですわね」
並のファントムなら一瞬でスクラップになる攻撃だが…


…粉塵を突き抜け、閃光が走る!
「!?」
レレラは非人間的な動きで身体を捻り回避するが、左腕が焼けて使い物にならなくなった!
「…通告事項はまだ終わって居ないぞ、シリーズRR」


粉塵が晴れ、無傷のレギレイの前には四脚の無人機《エクスキューション》が二機。
「廃棄命令の他、タイプB歴史改変、代替因子感染の疑い、シリーズRRRRへの支援…」
既にレーザーポインターをレレラに照射し、次弾の準備を開始している。


片腕を失い、レギュレーターと目が合うと操られ、視覚を失えばエクスキューションに狙撃される…非常に不利な状況だ。
(シリーズRRRRが人間と絆を結び、ファクトリーに対抗できたのなら…)


ふと後ろを振り向いたレレラの横を、地面を這う炎の線が通り抜ける!
「暖かいですわ」
炎の線に触れた2機のエクスキューションが、一瞬で焼き尽くされる!
「…タイプB歴史改変をタイプA歴史改変に再設定」


そして遅れて現れる、炎の様な赤いアームヘッド...《レーヴァテイン》!
『わたしハリッコだけど…遅くなってごめんね』
赤熱する剣を構えた機体は、脚部ローラーで火花を散らしつつ、レレラとレギレイの間で停止する。


レレラはレーヴァテインのコクピットに乗り込み、ハリッコと合流する。
「助かりましたわ、ハリッコ」
「レレラちゃん!その手…大丈夫なの?」
「培養液に一晩浸かれば治りますわ」
「ええ…?」


「そうですわハリッコ、わたくし、何処に座れば良いんですの?」
「えっと…そうね、私の膝の上とか?」
「…恥ずかしいから遠慮しておきますわ」
コクピット内が気まずい雰囲気に包まれた。


レギレイの背後の天井が崩れ、そこから新手の機体!
「…状況の変化、パラデウス試作型(アーリー)を投入する」
隻眼の機体《パラデウス・アーリー》は、各部の発光部位を点滅させ周囲を威嚇している…!


次回「スネーク・フット⑤」へ続く。


ルラ・リリ・レギレイ
青い髪の少年の姿を取った、ファクトリー6番目の尖兵。
かつてレギが持っていた権限を引き継ぎ、レギュレーター03としての能力を持つ。



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最終更新:2018年01月17日 21:41
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