これまでのあらすじ
本性を表したRRRR、傷つくアルカ、探すハリッコ、圧倒する雷電のオーバーン。
追い詰められた古代の英雄は、レプリカの世界の中心で「ぜ」を叫び、吠える。
気の遠くなるほどの時間、止まっていた何かが、再び………
アームヘッド・ストーリー:リターン・デイズ
第64話「鋼のハート④」
「貴様が言うんじゃあないぜ!!!」
その叫びと共に、LLLLの身体を覆う青いオーラの中に、僅かだが赤いオーラが混ざり始める!
「俺は…俺はセイル・ライラビットだ!他の何者でも無い!!」
『いや、違うな!』
更に畳み掛けるオーバン!
『確信した!お前には残っているのだ!』
ゼルジギオンの巨体が唸り、強烈なパンチが繰り出される!
『あの男の記憶が!あの男の残滓が!!』
LLLLはハンドホーンでその一撃を逸らし、一気に距離を詰める!
「黙れ!代替の者の残滓など、俺には必要ない!!」
懐に潜り込み、追憶剣に全エネルギーを込める!!
『お前に必要なくとも、俺様にはあるのだ!!』
「ならば、思い出しの剣で……断ち切る!」
実体化した追憶剣が、ゼルジギオンの巨体を切り裂く!!
『いや…思い出すのはお前だ!』
が、鍛え上げられた筋肉と骨格に阻まれ、刃が止まる!!
「!?何をする気だ…」
『お前をブチのめす為だけに開発した、最強の必殺技だよ!』
逃れようとするLLLLを鷲掴みにし、動きを封じる!!
「必殺技だと!?」『そうだ!必殺技だ!』
全身の砲塔が周囲の光を吸収し始め、直視できない程の光へと変わる!そして!!!
『補正相殺機構、開放!!くらえッ!!!フォーメーション!!!!レジェンドッッッ!ブレイカッッッッッ!!!!!!!』
「うお……ぐうううううううわあああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーッッッッッ!!!!!!!!』
ーーーーー
本性を取り戻した片腕武器の巨人…”ЯЯЯЯ”は3つの回路触手を急成長させ、手負いの白い機体に襲いかかる!!!
「!!」「オリジナル!」
アルカはその攻撃を不規則なマニューバで回避し、攻性粒子ブレードを展開する!
「アレはもうレーラビくんじゃなくて敵だから、倒す!」
『繧?a繧搾シ∽ソコ縺ッ謌ヲ縺?◆縺上↑縺??縺?縺懶シ』
ЯЯЯЯは触手の進行方向を変更し、接近するドライの背中を狙う!!
「レーラビくんは背中から触手なんて生やさない!」
それを読んでいたアルカは機体を急旋回させ、振り向きざまに触手をブレードで切断する!!
『!?!?』
本体である回路触手にダメージを受け、怯むЯЯЯЯ!!
「レーラビくんはちょっと操られやすいけど…絶対に僕を傷つたりしない!!」
正面に向き直り、残り一発のマスター・キーを構え…敵の胴体に突き刺す!!
『…アルカ!やめるのぜ!俺は使命を果たし、この世界を改変しなければならないのだぜ!!』
「レーラビくんはそんな事言わない!!」
アルカは感情に身を任せ、重いトリガーを引く!
周囲の空気が振動し、空間穿孔光線が射出される!!
『くぁwせdrftgyふじこlp!!!?!?!………』
そして、ボディに風穴を開けられた片腕武器の巨人は倒れ…最期の力を使い果たした白いアームヘッドも胸を押さえた後、倒れた。
ーーーーー
ふと気がつくとリグは、真っ暗になったコクピット内で目を覚ましていた。
「…!オリジナル…!」
呼びかけにも、返事が無い…
アルカは、静かに目を閉じたまま、動かなくなっていた。
そう、Vermicelliとの戦闘で突き刺さった破片は、既に心臓に届いていたのだ。
…オブシギアが再生できるのは、体だけ。
そして、心を再生する追憶剣レゾナンスは今、手元には無い。
……ならば、彼を救う方法は。
「…ボクの、役目を果たす時が来た。」
次回、第65話「鋼のハート⑤」に続く。
ゼルジム・ルージンギ・ギオゼド・ジギリーオ・オギムオギムの五機を合体させる事で完成する、ある種究極のアームヘッド。
神話級機体に匹敵する性能を持つこの機体は、一人の男を倒す為だけに作られた。
最終更新:2018年11月26日 21:28