カタカタとキーボードをタイピングする音が響く。
キーボート打ち、画面に視線を注いでいるのは、
無造作に伸ばした髪とガタガタになった眼鏡で何故か女顔と呼ばれる男だった。
人の脚を引っ張り続けるこの男だが、趣味のことに関しては、個人でも動けた。
彼の趣味にパソコンがあったのは、とりあえずここで生かされている。
キーボート打ち、画面に視線を注いでいるのは、
無造作に伸ばした髪とガタガタになった眼鏡で何故か女顔と呼ばれる男だった。
人の脚を引っ張り続けるこの男だが、趣味のことに関しては、個人でも動けた。
彼の趣味にパソコンがあったのは、とりあえずここで生かされている。
戦時動員令が発動されて、書類の量も増えた。
体力勝負のソレに付けていけない彼だったが、層の浅い電子資料回収はできないこともなかった。
だから、他の人と変わらずに自室に戻ってもキーボードを打ち込んでいられた。
彼はついでに集中力も欠けているので、色々なことをしながらのマイペースで進めていた。
彼が首を左右に一度傾けた後、腕を上に伸ばしながら背伸びした時、扉が開く音がした。
彼、鍵はかけていない。
「紘也、銃を回収しに来たぜ」
入って来たのは、雪原迷彩の軍服に身を包んだ軍人だった。
紘也と呼ばれたガタガタ眼鏡の男は、回転式の椅子をクルリと回し、男の方を向いた。
「ご苦労様です、そこの机に置いてありますよ」
紘也が一丁の銃が置いてある机を指さすと、軍人は立派な軍人歩きで近寄り、
銃を持って一通り銃の安全範囲での動作を確かめる。
軍人は満足すると、銃を持ったままさっきまで紘也が覗き込んでいた画面を覗いた。
「大変だな、整備士との兼役ってのも」
軍人は特に本気そうでもなく、画面に表示されてるレポートを見てそう言った。
「私が機密情報を扱ってたらどうするんですか」
「手書きのビラをばら撒く摂政が居る国じゃ、一介の下っ端が機密取り扱いがあるってのか」
紘也が視線を阻むように腕を伸ばし、画面の電源を消すと同じ位のタイミングで、軍人は笑った。
「俺に機密が来なくても、真面目な摂政さんだよ」
紘也もコレには笑って答えた。
互いにほんの少し笑った後、軍人は離れて出入り口のドアの方へと歩いていった。
「じゃぁ、また手術の必要な銃があったら来る」
「修練提供に感謝、増し分のクリーニングセットの受領も忘れずに」
軍人が手を軽く上げて別れの挨拶をするのに、紘也は彼の方へと椅子を向けてそう言い、見送った。
体力勝負のソレに付けていけない彼だったが、層の浅い電子資料回収はできないこともなかった。
だから、他の人と変わらずに自室に戻ってもキーボードを打ち込んでいられた。
彼はついでに集中力も欠けているので、色々なことをしながらのマイペースで進めていた。
彼が首を左右に一度傾けた後、腕を上に伸ばしながら背伸びした時、扉が開く音がした。
彼、鍵はかけていない。
「紘也、銃を回収しに来たぜ」
入って来たのは、雪原迷彩の軍服に身を包んだ軍人だった。
紘也と呼ばれたガタガタ眼鏡の男は、回転式の椅子をクルリと回し、男の方を向いた。
「ご苦労様です、そこの机に置いてありますよ」
紘也が一丁の銃が置いてある机を指さすと、軍人は立派な軍人歩きで近寄り、
銃を持って一通り銃の安全範囲での動作を確かめる。
軍人は満足すると、銃を持ったままさっきまで紘也が覗き込んでいた画面を覗いた。
「大変だな、整備士との兼役ってのも」
軍人は特に本気そうでもなく、画面に表示されてるレポートを見てそう言った。
「私が機密情報を扱ってたらどうするんですか」
「手書きのビラをばら撒く摂政が居る国じゃ、一介の下っ端が機密取り扱いがあるってのか」
紘也が視線を阻むように腕を伸ばし、画面の電源を消すと同じ位のタイミングで、軍人は笑った。
「俺に機密が来なくても、真面目な摂政さんだよ」
紘也もコレには笑って答えた。
互いにほんの少し笑った後、軍人は離れて出入り口のドアの方へと歩いていった。
「じゃぁ、また手術の必要な銃があったら来る」
「修練提供に感謝、増し分のクリーニングセットの受領も忘れずに」
軍人が手を軽く上げて別れの挨拶をするのに、紘也は彼の方へと椅子を向けてそう言い、見送った。
さてと、と椅子を回して、画面の電源を付ける。
新着メールの数を示す数字が、また増えている。
「件名:燃料消費量のレポート」
「件名:弾薬の購入経歴」
「件名:新型I=Dの開発状況レポート」
紘也は、軽くニヤリと笑うと、ひとまずは確認中だったレポートのチェックを続けることにした。
比較的簡単な仕事だからか、量だけは凄く、まだ20も30も仕事は溜まっている。
デスクに置いてあるコーヒーは、とうに冷め切っていた。
新着メールの数を示す数字が、また増えている。
「件名:燃料消費量のレポート」
「件名:弾薬の購入経歴」
「件名:新型I=Dの開発状況レポート」
紘也は、軽くニヤリと笑うと、ひとまずは確認中だったレポートのチェックを続けることにした。
比較的簡単な仕事だからか、量だけは凄く、まだ20も30も仕事は溜まっている。
デスクに置いてあるコーヒーは、とうに冷め切っていた。