サクセス・ストーリー - Robert H. Smith School of Business

スミスから巣立った企業は数多くあるが、大きな成功を収めている企業の一つにスポーツメーカーのUnderArmour(以下UA)がある。U-Mの卒業生であるKevinPlank氏により95年に創設された同社はスミスのDingmanCenterの支援を受けて成長してきた。

Nike等に代表される優良スポーツメーカーがひしめく中で、UAは独特の地位を築きつつある。「ColdGear」と呼ばれるアンダーシャツはピチピチのタイトフィットなシャツであるが、汗を乾燥させる機能に優れており、濡れて気持ち悪い・臭い・暑いなどのアスリートの悩みを解消させる画期的な製品である。アメフト選手の中ではほぼ不動の地位を築いており、多少高価な製品であってもスポーツ店舗の一角を占めるほどの人気ぶりだ。今や各界のスター選手の愛用品としてさらにその人気は増している。

スミスの卒業生はマーケティング部門で活躍しており、徹底的な製品戦略とプロモーションを駆使し、既存の大手メーカーの市場を侵食しつつある。最近の傾向である、製品にストーリーをリンクさせて買い手にイメージをわかせるという手法もふんだんに使われている。

最近は「○○社のUnderArmourが欲しいという要求が多くて困る」というスポーツ店員のエピソードも聞かれた。UAは企業名であって、特定の製品のジャンルを指す言葉ではない。「NikeのAdidasが欲しい」と言っているようなものであって厳密には存在しないのである。しかしながら、製品のあまりの人気ぶりから企業名が製品を指すことに使われることが増えてきたということだ。ネット検索を「ググる」と言ってしまうのと同じだろう。

日本でも事業展開を始めたUAはプロ野球選手を中心に人気が高まりつつある。スミス卒業生も同社で更なる活躍を続け、日本市場の拡大に寄与するなどの実績が生まれるのが期待される。