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お見合いin11月14日

主目標
結城火焔・コガ

目的（上ほど重要・主目的）

０：両者に楽しんでもらう
１：両者との親睦を深める
２：お友達からのお付き合いを開始する
３：キノウツン藩国に逗留してもらう
４：個人ACEになってもらう

作戦

• 火焔＆コガに楽しんでもらうことを最優先事項とする。
• 舞台には景色のよい料亭を使用する。

図1：こんな感じ。
この季節、朝には霜が積もり、朝焼けが映えて非常に美しいのが特徴である。

• 基本的に食べ物に弱いので料理は出来得る限り最高のものを沢山用意する。
• 色恋方面を表に出しまくると逃走を図るのでほどほど、というかほとんど出さないようにする。
• 各人楽しく過ごす。変に気を使わせない。
• 船橋から以前に行った火焔とのお見合いの様子を聞き、傾向と対策を練る。

準備SS

２１１１７００２、キノウツン藩国会議室。
オフシーズン中だろうとそうでなかろうと、
今日もツン国のこの部屋は誰かしらが詰めている。
最近では大人気の小笠原リゾートの予約が再開されたこともあって、
会議室の中はいつもにも増して熱気に溢れていた。
つい先ほども、浅田が小笠原へと出かけていくのを見送ったばかりである。

アシタスナオ「しかし浅田もMだのう、わざわざ谷口たちを呼ばんでもとっとと勲章をもらえばいいのに」
青狸「まあ本人がやりたいようにやってこその小笠原だからねえ……。」
見送り役はこの2名。
両者とも特にすることがないので会議室にだべりに来た口である。
今日はこの後も船橋がそれぞれ小笠原へと出かける予定だが、
彼らは2日後のお見合いまでさしたる予定も入ってはいなかった。
そうこうしているうちに、VZAが会議室を訪れる。

青狸「お、これでお見合いに行くメンバーは来たかー。
じゃあちょっと聞いておきたいことがあるんだけどいいかな」
口を開く青狸。アシタスナオがそれに同調するように頷く。
青狸「いや、明後日お見合いがあるわけだけど、
どういう風にするか話し合おうかなーと思って」

アシタスナオ「どうするって、もっと具体的に言わんとわからん」
青狸「んー、どういう形式がいいかー、とか何かするかー、とか。
特に俺はこの前気まずくなっちゃったから、
ちゃんと決めておきたいかなーと思ったわけさー」

アシタスナオ「決めるのはいいんだが、一応おまいさん1人のお見合いじゃないってことも忘れるなよ？
俺らは別に気まずくなってないしー。」
青狸「ああー別に俺が中心ってつもりじゃないよー！
ただやっぱり火焔とコガには楽しんでもらいたいから、
予めやることを練っておきたいなーと思ったの！」
VZA「やることねえ……。おめかし青狸でいいんじゃないかな」
「女装か！」

おめかし＝女装、函の中の戦士もびっくりである。
たしかに結城火焔は美少女ハンターではある。
だからといって女の格好をすればいいというものではないということを、
男たちは当然理解などしていなかったし、する必要もなかった。
そして議論は進むさなか、また数名の来訪者。

船橋「お見合いか」
小宇宙「やっぱり食べ物じゃないですかね。好きそうだし。」
船橋「俺らがお見合いをしたときはスイカを持ってったなあ」
船橋は以前玄霧藩国と共に火焔とお見合いをしている。
彼の意見は、非常に参考になりそうであった。

船橋「ひたすら食べてたな。うん」
VZA「それだけ？」
船橋「時間も短かったしなー。ホントに食べただけだった」
アシタスナオ「だが、それがいい」
船橋「まあ頑張ってくれ。あ、時間だ。小笠原行ってきます」
「「「いってらー」」」

非常に、非常に有効なアドバイスを遺し、船橋は空歌とお祭りへ。
青狸「まあ食べ物は当然最高のもので臨みますともー。
後はいったい何をすればいいのか……。」

浅田「あれ。何話してるんですか」
小笠原を終えた浅田が会議室を訪れる。
はる「こばわ」
小笠原を翌日に控えたはるも会議室を覗きに来たようだ。

青狸「明後日のお見合いをどうしようかなーって。
ブレストですわよブレインストームー」
ここでいうブレインストーミングとは、
多人数が意見を出し合うことで新規の方向性を模索する手段であるが、
ツン国においては文字通りのストームになることも少なくないため、
やり過ぎには気をつけなければならない。主に新アイドレスの獲得候補選びとか。

浅田「まず股間に薔薇ですね。口元にも。」
アシタスナオ「ほほう？」
浅田「で、背中には孔雀の大羽根、登場曲は上様のサンバで」
青狸「それを3人でやれと申すか、お見合いで」
アシタスナオ「俺はきぐるみ士だからな。雷電の人形にでも入るか」
VZA「後はどうする？」
小宇宙「おめでたい感じがいいですね」
はる「獅子舞とか」
青狸「グラサンでか」
アシタスナオ「関東圏で通じるのかそれは」
「ちゃー」
「まて、ならば衣装はそれぞれ持参してくるということか」
「とりあえずツン国の女性ACE陣を呼んで見てもらうか。女性の目で」
「私は遥ちゃんと出かけるので行けませんね品評会」
「股間に薔薇ってありなのか？」
「ただいま」
「おか」
「おかー」
「おかか」
「今北　3人の　すごい　お見合い　」
「まとめると、雷電のきぐるみ、女装した薔薇孔雀、焼肉た○ら　以上か」
「どう見ても失敗です　本当にありがとうございました」
「なあに物は試しだ、当たって砕けろともいうじゃないか」
「そして砕けて」
「散る」
「何と言う死亡フラグ……もうドラッカーに技はないというのに」
「やんややんや」
「わいわいがやがや」
「ドンドンドドドンシテーンホウジ！」

「……で、この有り様になったと」
3人「はい……。」

ふみこ「そこのきぐるみ男」
雷電1号「ばうばう、ばばうばｂ」
ふみこ「完成せよ！精ｒ」
アシタスナオ「すいませんすいません冗談です軽いジョークだったんです」
ふみこ「また蛙になりたいのかしら」
アシタスナオ「う、それはそれで結構美味しいか……いえ、勘弁してください」
ふみこ「これは手作り？」
アシタスナオ「はい！どうです上手いでしょう」
ふみこ「お見合いの役に立つと思って作ったのならお笑い草ね」
アシタスナオ「これでコガをコミュニケーションをとろうかと」
ふみこ「コガもあきれるわね、きっと」

横山「で、誰なんですかこの奇妙な半裸の男は」
青狸「お初にお目にかかります、青狸です」
石田「なんでそんな格好なのこいつ。馬鹿なの？」
青狸「はい、馬鹿としか言いようがないです……。
でも浅田に言われたとおりの格好だから完璧だと思ったんだけどなあ……？」
谷口「ああ、その件なんだが、浅田と吉田から手紙を預かってきた」
青狸「なになに……『昨日のネタ合戦はなかなか盛り上がりましたね。
まさかとは思いますが昨日いった格好でお見合いなんてしないでくださいね。
はっきり言ってお話にならないというか二度と口を聞いてもらえないと思います』
こ、これは……ということは僕のこの格好は……」
横山「いや、考えるまでもなくおかしいって思います普通」
石田「やっぱいるのねー、体だけ大人になって日常生活の常識が身についてないやつって。」
青狸「君がそれを言いますか君が。
……と、いうことは登場時のパフォーマンスで行った、
股間の薔薇をふすまから出したり引っ込めたりという伝統作法も……」
谷口「あれは笑わせてもらった。いい宴会芸になるかもしれん。
……お見合いの席でやったらご破算だろうが」
青狸「嘘を嘘と見抜ける人じゃないと（お見合いを成功させるのは）難しい」

アララ（高原）「一応子育てで忙しい中呼びつけられて、
見せられるのがこれ？」
VZA「もう何と言うか……申し訳ないです」
アララ「そのわきに抱えてるのは何？」
VZA「獅子舞です。お正月には大変な縁起物として重宝されるんですよ」
アララ「今は」
VZA「11月です」
アララ「その胸に書いてある『ゆりかごからランドセルまで』って何かしら。聞きたくないけど」
VZA「ポリシーです。またの名をストライクゾー」
アララ「あなた」
高原「はい、何かな」
アララ「この男だけはうちに入れないでね。
雷蔵と翠蓮に近づけたくないわ」
高原「いや、いくら何でもまだ赤ん坊ですよ……（VZAの胸の文字を見る）わかりました！
さ、雷蔵、翠蓮、こっちに行ってようねー（部屋の外へ出る）」
VZA「あ、あの」
アララ「なにか？」
VZA「いえ、何でもないです」

狂乱の時は終わった。
後に残されたのは、疲労、精神的苦痛、徒労感。そして少しの光明。
アシタスナオ「やっぱり……お見合いは真面目にやらんとダメだということか」
青狸「奇抜さよりも大事なものは多いんだな…」
VZA「それに気づいただけでも収穫はあったんじゃないかな」
青狸「火焔たちに楽しんでもらえれば、という心が大事だったんだね」
アシタスナオ「うむ。明日は精いっぱいのもてなしをして、
楽しんでもらうことを第一に考えよう」
VZA「格好は常識の範囲内で、な」

色々なものを失った代わりに、得たものもあった。
大切なことは、もてなしの心。
姿形や服装にとらわれることなく、心で勝負のお見合いを。
がんばれアシタスナオ、
負けるなVZA、
根性だ青狸、
勝利は君たちの手の中に！
（文章：青狸）

図2：各人の真面目な格好プチキャラ版。
3頭身なのは気にしてはいけない。
アシタ：吏族制服１
VZA：吏族制服２
青狸：法官制服１
となっている。いわばフォーマルスーツである。