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*絶フォル各話タイトル(と内容の一部)1~50話 **目次 #contents(fromhere=true) キャッシュに残っていた小説版絶フォルの断片。 おそらく完全補完:第4話、第45話 **1~10話 ・『絶対無敵フォルテシモ第一話』 エイジ285年、魔界の日本は群雄割拠の戦国時代に突入した。 主人公ミナセは日本最強の呼び声も高いスワナイ・ミズエ率いる 「レプタイル」という 戦闘集団に所属し日夜修行に励んでいた。 そんなある日ミナセは街で異邦人の少女と遭遇する。 未知なる武器を操るその女は「大脳特化型レッドラム」を名乗る。 ・『フォルテシモ第四話「決戦開始」』 決戦当日。 O市の駅ビルの上に「夏の劣情」のメンバー19人が整列している。 テレーゼも一緒だ。ミナセはミズエからテレーゼ博士を守り抜くよう命を受けた。 「涙法師」、「弥生」、「六波羅」のメンバー総勢103名は 駅ビルから見下ろした駐車場に集まっている。 「弥生」の局長の女の子カンナミ・イヨの使う バイオ生物インカニャンバが、その20メートルはあろうかという 巨大な蛇状の体をくねらせているのが目を引いた。 インカニャンバは赤と青と白の迷彩柄の表皮を持ち 頭に巨大な鹿のような角が生えている。 竜を彷彿とさせる形状に呪術的な文様のような色彩を帯びている。 「どいつから来るかな……」 黒服のナナミが相手を品定めする。 テレーゼが辺りを見回して不思議そうな顔をする。 「随分悠長なんですね。 皆で集まって『よーいドン!』みたいな戦い方するんだ。 学校じゃ習わなかったなぁ」テレーゼは言った。 「ああ。これは『21世紀の精神異常者方式』の対戦ルールって言うんだ。 先攻後攻をジャンケンで決めて一定距離離れて先攻のチームの中の一人が 先に攻撃する。その後は混戦。皆方々で好きに戦う。今回うちらは後攻」 テレーゼは顔をそむける。 「馬鹿みたい」 「ああ……俺等はお前と違って馬鹿だ」 ミナセは言った。 テレーゼはその次の瞬間相手の方を見下ろした。 そして見た。青いニット帽にレジスタンスのような格好をした男が こちらに向けて銃を構えた。 全身の毛が総毛立つ。一瞬の風を感じた。目を閉じてしまう。 何も起こらない。目を開ける。黒い影が目の前に有る スワナイ・ミズエだった。 右手がきつく握り締められている。 その手がパッと開かれる。 金属の粉がパラパラと落ちる。 どうやらミズエがライフルの銃弾を受け止めたらしかった。 「逝くぞーーーーーーーーーーー!」 ミズエが叫ぶ。 テレーゼはあまりの大声に両手で耳を塞ぐ。 それと同時に雨のような銃弾が降り注ぐ。 テレーゼは右手で顔を覆う。 ミナセが邪宗門で大気中の水を操作し 5メートル四方の壁を作りテレーゼを守る。 センボンギとモリカワが前に躍り出る。 モリカワは新テレポン「追憶のテーマ」を爽快に吹き鳴らす。 下の集団が蜘蛛の子を散らすように散開する。 一瞬でコンクリートの地面に巨大な陥没が出来る。 散開した集団をセンボンギの新テレポン「ボボ」が狙う。 チューバ型のそれから吐き出された雷が十数人に命中する。 当てられた者達は黒焦げになる。 が、すぐに他の者に引きずられ逃げ出し回復が始まる。 ミナセの方をさっきの青のニット帽のスナイパーが しつこく狙っているようだ。 連続して弾がテレーゼとミナセを襲う。 「やばいぞその内水膜を破られる! テレーゼ!動けるか!?」ミナセが訊く。 「うん!」テレーゼが答える。 「よし! 俺に負ぶされ!」 ミナセが言った。 そう聞いてテレーゼが一足にミナセの背中に負ぶさる。 ミナセは一足に隣のビルに飛び移る。 下のニット帽もついてくるようだ。 「良いぜ。潰してやる!」 ミナセは呟いた。 ホシマチ・ライマとスワナイ・ミズエは その時にはもう繁華街から遠ざかった、H田山の中に居た。 ミズエの足は恐ろしく速かったが ライマのローラーブレード型テレポン「深夜特急」の俊足によって 五分以上に追いかけっこする事が出来た。 「待ちかねたぜ怪物。俺が歴史に名を刻んでやる!」 ライマが吼えた。 「ふっ……君あんまり面白くないなぁ」 ミズエが言った。 そしてテレポン「天帝妖狐」を構える。 半径20センチ長さ約1メートル40センチの真っ黒い棍棒状の形をしている。 ミズエはふっと笑む。 ライマはそれを見て背後に凄まじい寒気を覚える。 そして軍服の腰につけた二本の黒いトンファーを手に持つ。 そのテレポンの名は「爆音夢花火」。 ライマのとっておきの最高級テレポンだ。 物体に触れるとそのトンファーは前方向に爆発を起こす。 「さぁて! 逝くか!」 ライマが叫んだ。 キョウゴク・ナナとミナシタ・ナナミは最初居た駅ビルの駐車場で対峙した。 ナナは黒い着物を来て銀髪を後ろで小さくナイン・テールにしている。 身長は140センチほどである。 同じ日本刀使い。 どちらも剣を構えたまま微動だにしない。 「良いな。その刀。『山椒太夫』……だっけ?」 先にナナミが口を開いた。 「これが終わったらコレクションに加えてあげるよ。ナナちゃん」 「笑わせるな……」 ナナが口を開く。 「貴様等の隊は此処で終わりだ……よおくご存知なんだろ?強がるのはよせ」 ナナミは笑顔を顔に貼り付ける。 「私達……話すのはそんなに得意じゃないよね…… 皆に迷惑かかるし……とっとと終わりにしちゃいましょ」 ナナミは言った。 ナナは怒りを顔にあらわにする。 「滅殺……!」 ナナは小さく叫んだ。 「ボオオオオオオオオオオオオオン!」 インカニャンバの雄たけびが木霊する。 繁華街に沿って爆走する。 口から光り輝く赤色の熱線を吐くそれと 多すぎる敵にセンボンギとモリカワは手を焼いた。 「くっそー! いくら武器が強くても多勢に無勢すぎるぞ!」 モリカワが言った。 「口を噤め! 気を抜くと死ぬぞ!」 道路を延々走りながらセンボンギが言った。 その時インカニャンバの熱線が二人を掠める。 「ぎゃああああああ!」 モリカワの右腕が吹っ飛んだ。 「お前は下がってろ! 逝くぞ『ボボ』!」 センボンギが雷撃を真正面からインカニャンバに発射する。 インカニャンバは一瞬ひるんだがなおも進行を止めない。 他の相手の構成員達の銃弾が2人を襲う。 「畜生! あんまり効いてねえ!」 センボンギが叫ぶ。 「当たり前だ!ニャンちゃんにそんなオモチャの雷撃、静電気みたいなもんだ!」 茶色い袈裟を着て黒髪を束ねた身長150センチほどのカンナミ・イヨが インカニャンバの頭に乗って叫んでいる。 「センボンギ!あのチビ狙えあのチビ!」 モリカワが言う。 もう右腕は完全にもとの姿に戻っている。 「ナイス・アイデア! こんな所で死んでられねえ!」 センボンギが吼えた。 ミナセはビルの上を走りながら 遠くのビルの上を走るニット帽の男に 水撃を何度も浴びせた。 しかし男は身軽に全ての水撃をかわしてしまう。 「かなりデキる……!」 ミナセは焦りを覚える。 果たしてテレーゼを負ぶったままで勝てるのだろうか。 「ミナセ。私がベーゼンドルファーで援護するから何とか相手に接近してみて」 テレーゼが言う。 「駄目だ! お前を戦わせでもしたらミズエさんに殺される!」 ミナセが言う。 その刹那、テレーゼがミナセの頭を右手で強くぶつ。 ミナセがたじろぐ。 「馬鹿! 私をただのお荷物にするつもりなの!? やっと居場所が見つかったと思ったのに!そんなの嫌だよ! 私は…私は…」 テレーゼは泣き出した。 ミナセは酷く狼狽する。 「……ええいっ糞!分かったよ!分かった! 分かったから援護を頼む!」 ミナセが言った テレーゼの顔がパッと明るくなる。 「有難う!」 テレーゼが言った。 「てめっ……嘘泣きだっただろ今の……!」 ミナセが突っ込む。 「良いから早く! 気を抜くと死ぬよ!?」 テレーゼが言った。 スナイパーの弾丸がミナセの顎の下を掠める。 「やれやれ…」 ミナセは呟いてニット帽の居る道路の反対側までジャンプしようとする。 「逝くぞ!」 ミナセは叫んだ。 ・『フォルテシモ第六話「魔界の太陽」』 「ぐああ!」モリカワは14本のナイフでビルディングに磔にされた。 キリアケ・フウガは俊敏な動きでセンボンギの雷撃を全て避けてしまう。 「遅いよ!デクノボー!」フウガが叫ぶ。 さらにナイフを8本センボンギに向けて投げる。 「くっ!」 右肩に2本、腹に4本ナイフを刺されて吹っ飛ぶセンボンギ。 ミナシタ・ナナミとスワナイ・ミズエが立っている。 ミズエが右手で持っているのはホシマチ・ライマ。腹から下が無い。 ナナミが背中に負ぶっているのはキョウゴク・ナナ。 両手両足が切断されている。 「こいつ等には自己修復阻害剤を注射した。1日はこのまんまだ」 ミズエが言った。 「ライマ……」 フウガが呟く。 ライマとナナは気を失っている。 「あんた等の負けだ。最後までやってもかまわんけど」 ミズエが言う。 「ちっ……!」フウガが舌打ちする。 「ほら。さっさと殺せ!」フウガが言う。 「そんな事しないよ。ルール通り私等の配下になってもらいます」 ナナミが言った。 『21世紀の精神異常者方式』のルールでは勝った方が 負けた方を全員舎弟にする事になっている。 「……」 フウガが沈黙を守る。 後ろでベリベリ音がする。モリカワが無理矢理磔から逃れたようだ。 「いっててて……このやろ畜生。さっさとお縄につけ!」 モリカワが言った。 「分かったよ」 フウガが言った。 「はあっ……はぁっ……」 ミナセが肩で息している。 刀を模した水でフルを切り伏せることに成功した。 フルは両腕を切断されショックで気を失っている。 …ミナセはビルの端に行って下を覗く。 メンバーが皆集まっていた。黒焦げのインカニャンバを中心に円になっている。 「勝った……勝ったんだ……!」 ミナセが叫ぶ。 「3つの隊の連合が相手だったのに!やったぜ! これで全国制覇も夢じゃねえ!」 テレーゼはそんなミナセを冷静に観察する。 「私がついてる限り当たり前だよ」 テレーゼは言った。 **11~20話 ・『フォルテシモ第十一話「勝敗決す?」』 突然レグルスのアジトを中心に大きな爆発が起こった。 後には大きなクレーターができ噴煙がたちこめている。 「ミ……ミナセが!」 モリカワが叫ぶ。 「死んだの?」 モリカワに負ぶさったテレーゼが言う。 「アジトの中に居たんじゃアレじゃ無理だ……」 センボンギが言う。テレーゼがかなり動揺した表情を見せる。 爆音夢花火108連撃を受けたヤマギワの両腕と両足が吹っ飛ぶ。 ドグラ・マグラと両方のエル特急が宙を舞う。 そしてヤマギワから約70メートル離れた場所に落ちた。 ライマが両手を膝に置いて肩で息している。 その眼がオレンジに光る。 こいつ……覚醒しやがった……! ヤマギワは思う。両腕と両足は生えてきた。 しかしエル特急無しでは深夜特急の機動力に太刀打ちできない。 「へへ……へ……やるな負け犬」 ヤマギワは言った。ライマの眼は動かない。 じっとヤマギワを見下ろしている。 「フウガ……」ライマは呟く。そして両腕に力を込める。 「ちょっと待ったー!」 ヤマギワが声を上げる。ライマの動きがピタリと止まる。 「じゃーん! これなーんだ!」 ヤマギワはポケットから白い掌サイズの正二十面体を取り出した。 「答えは魔界の門番の超科学の道具『少女地獄』! スゲエだろ! ライマは無表情を保つ。 「この中には……小型化された迷宮がある。で、其処にナナミが居る」 ヤマギワは言った。 ライマの表情がピクリと動く。 「これを力を入れてパリンと割れば中に居るナナミを潰れて死ぬ。 パスワードを唱えれば ナナミは外に出てくるがそれは俺しか知らない」 ヤマギワはニタニタ笑い出す。 「それ以上近付けば潰すぜ? 俺が体勢を整えるまで待ってもらおうか」 ライマは舌打ちする。 そして再度両腕に力を込めた。 それを見てヤマギワは身を固めるが その次の瞬間ヤマギワの下の大地が一気にせり上がる。 ライマは一瞬狼狽して飛び立つがせり上がる大地の頂点には届かなかった。 ライマが再度舌打ちする。 大地の頂点の土の中からトキノが出現する。 「ふーっ! 危なかった! 死ぬとこだったぜトキノ!」 ヤマギワがため息をつく。 「ダセエなリーダー。ほらよ。道具」 何時の間にかトキノが持ってきていたエル特急とドグラ・マグラを ヤマギワに手渡す。 瞬間、トキノの頭上を赤い熱線が掠める。 「ちいっ!」 眼下からインカニャンバに乗ったイヨが舌打ちする。 「相手が退屈すぎる奴でよ。お前の世話焼く暇があったぜ」 トキノが言った。 「俺は運が良いのもとりえだからな」 ヤマギワが言った。 下からライマが眼をオレンジに光らせながら睨みつけている。 「狂骨の……夢!」 ナナの最速の一つの太刀。 フユキの雁がついに折れる。 「ちいっ!」フユキが舌打ちする。 「何が勝てないだ!口だけ野郎! とどめだ!」 ナナの再度の一つの太刀。 だが瞬間ハヤミ・ショウが割ってはいる。 「水晶の夜!」 ナナの斬撃を受け止めた水晶の夜は ナナの方にカマイタチのような斬撃を送り返した。 右肩から左腰に向けて斬りつけられるナナ。 「ああっ!」 悲鳴をあげて倒れ伏す。 「チェックメイトよ。お嬢ちゃん」ショウが言う。 ナナは血を流しながら喘いでいる。 ・『フォルテシモ第十四話「予兆」』 そんな事良いからお前も一緒に雨禁獄の視察に行こうぜ。 ライマさんが外で待ってる。…東北の雨禁獄アジト。 ・『フォルテシモ第十五話「ケダモノの恋とケダモノの愛」』 こいつらはさっきのミナセで分かったけど本当に強い。 気を抜いたら殺られるぞ。 …ミナセと和解した上で逝けるんだよ。 これ、私が一番欲しかった物なんだ。 …なんとかテレーゼとミナセの言葉の意味を解こうとしている。 頭をフル回転させる。なに ・『フォルテシモ第十六話「名前と器」』 シホとナナミが併走する。 ナナミは俊足だったがシホを引き離すことはできない。 シホはクスッと笑ってチラと地面を見る。 瞬間、地面から白い尖った結晶に包まれた2メートル程の蛇のような… 巨大な燃え盛る梟がライマをしつこく追ってくる。 炎の濁流を止めて空中のライマめがけて 回転する半径5メートルの火球を梟が繰り出す。 「くっ!」ライマは爆音金剛界曼荼羅の反動で腕に力が入らない。 「悲の器!」ミナセ ミナセがライマとカンジの間に割ってはいる。 水の器で火球を防ぐ。半分器は蒸発したがなんとか防ぎきれた。 「サンキュ。ミナセ……後は俺が……」 ライマが着地して呟いた。 ミナセはライマの顔を見る。眼が虚ろだ。ゼエゼエと肩で息している ・『 フォルテシモ第十七話「煮え切らない人々と」』 ライマが歩いてきて言った ナナがゼエゼエ息を吐いてライマの方をチラリと見る。 …ライマさんが次はきっと倒してくれるよ」 テレーゼが上目遣いでミナセをじっと見つめる。 同じく山の中でミナセとテレーゼが向かい合っている。 「此処は君にとって闘うのに都合が良い場所よ。 …ミナセは生唾をゴクンと飲み込む。 …ミナセは呟いてゆっくりとテレーゼの唇に自分の唇を重ねた テレーゼの頬に涙がつうっと流れ落ちる。 **21~30話 ・『フォルテシモ第二十二話「最後の炎」』 ・『フォルテシモ第二十三話「示したい」』 会議室にテレーゼとシホとカンジとユアイとライマと ミナセとナナミが集まっている。 …ミナセがニヤニヤしながらそれを見ている。 ライマが少し複雑な表情を作る。 「そうね。」… …ライマがミナセの所に寄ってきて声をかけた。 「言いそびれてたけどよくカンジと引き分けたな。 …ライマはそこでそっぽを向く。「これからは俺とタメ語で喋れよな。 ・『フォルテシモ第二十八話「4人」』 ・『フォルテシモ第三十話「運命胎動」』 まだ人間が日本に少しは居た頃。 夏の劣情は人間に対するテロ行為を主に行っていた。 他の戦闘集団も大方似たようなものだ。 テレーゼの父と母は日本に飛行機で着いた直後飛行機ごと爆破された。 当時それは飛行機事故だと判断されたがテレーゼはレッドラムによる テロの被害にあったのだろうと目星をつけていた。 だから日本のレッドラムの中にもぐりこんだのだ。 夏の劣情に入っても仕事の合間に父母を殺したレッドラムを探す事を続けていた。 そして、その日、「夏の劣情の」昔の任務の資料を調べていて その犯人が誰であるかつきとめた。 テレーゼは眼を疑った。頭の回転の速いテレーゼが30秒は静止した。 頬を汗がゆっくりと伝うテレーゼの眼が鈍く黄色に光る。 「そんな……」 資料を何回も見直す。 8月6日……N空港…… 実行者… その時、ミナセが突然ドアを開けて入ってくる。テレーゼがビクッと震える。 「よう。テレ。何調べてんだ?」 テレーゼは頭をぶんぶん振る。 「べ……別に……!」 テレーゼは見ていた資料を後ろ手に隠す。 「その敵が……うちの隊の中に居たらどうする?」 「殺します」 テレーゼの心臓がドクンと脈打つ。 汗がたらたらと流れる。 ミナセが怪訝な顔をする。 「どうした?」 ミナセがつかつかとテレーゼの方に歩み寄る。 「近付かないで!」テレーゼが大声を出す。 ミナセがビクッとして立ち止まる。 「どうした…ミナセ……」テレーゼの口から意思に反して言葉がもれる テレーゼの中で一番冷静な部分が喋っているのだ。 「全然知らない人を殺す事について……どう思う……?」 テレーゼは言った。息が荒くなる。 今すぐにでも此処から逃げ出したい。 ミナセがため息をつく。「何が有ったか知らないが興奮しすぎだぜ」 …「御免ねミナセ」そしてギュッと抱き返してくる。 …ミナセはそれ以上問い詰めたりせずに部屋を出て行った。 ぽつんと取り残されたテレーゼ。 右眼から涙がこぼれ落ちる。 咄嗟に涙をふく。なんか最近涙もろくなっちゃったね…… きっとミナセのせいだ……私は……私にはまだやる事があるんだ…… まだまだ…… まだまだ…… そう…… 感傷にひたってても何も始まらないよね…… **31~40話 ・『フォルテシモ第三十五話「俺が俺である限り」』 キタテハがその蚊型のロボットを発見したのは偶然だった。 死に物狂いの戦闘の中、野生の勘がそれの危険性を察知した。 すぐに自分の無数の蝶型ロボット「オレンジロード」に… …俺が俺である限り、俺は無敵だ。 それが運命。 テレーゼは俺の嫁。 それもまた運命。 最強の遺伝子を遺すのは……この俺だ… 「ミナセさん大変アルね。こりゃ本当にお別れになりそうアル」 リュイシュンが呟く。 「俺本当はちょっとミナセさんの事尊敬してたんだ……」 ヨナタンが言った。 「生き残って直接伝えるアルよ」 「いや、それもちょっと違うけど……そうそうキタテハの奴は ・『フォルテシモ第三十九話「行き着く先は存じません」』 「うおおおおおおおお!」 襲い来る戦闘機をことごとく叩き落すイザヤ。 「モ……MONSTER!」 戦闘機搭乗員が叫ぶ。悪鬼の形相で空中空母ギドラに… ミナセの死体を探したかったがその術はない事に気づく。 ただ実際に落ちていく所を目撃したイザヤの場所は分かる。 …ミナセはイザヤに吹っ飛ばされた勢いで深海まで沈みこんだ。 隣をリュウグウノツカイが泳ぎ去っていく。 …「うおおおおおおおお!」 …幸せ者だ。どんなに苦しくても……生きなければ…… ミナセは思って、目を閉じた。行き着く先は、存じません。 フォルテシモ第一部完 ・『フォルテシモ第四十話「新しい種」 部屋の中は洋風の普通な感じでよく掃除が行き届いている。 「何読んでるの? ...ミナセは言った。 ルナは半分ホッとして半分悔しかった。 また一人で燕さんと修行か。 …ミナセと暮らしていると一日に何回もその事を確認させられる。悪くない **41~50話 ・『フォルテシモ第四十五話「ヴァイオリン弾きのアリス」』 「ハハハハハァ!」 カンジが笑いながらアリスの目の前に現れた。 アリスは黒い蝙蝠のような翼長5メートルほどの翼を広げている。 そして右手に黒いファゴットのような形をした銃らしき物を持っている。 突然現れた巨大な炎の梟を見てもその無表情は崩れない。 ただ静止してカンジの眼をじっと見ている。 カンジはそれが気に入らない。 「おいお前。スカイクロラだろ。何か良からぬ事考えてるらしいって 聞いてるぜ。どうなんだ? 何企んでるか教えてもらおうか」 カンジは言った。 アリスの青い眼がうるっと動いた。 その髪がふわっと巻き上がる。力の充足を感じる。 プレッシャーが一段強まった。 こいつは並みの手練じゃねえ……! カンジは知覚する。アリスはその掌をふいにカンジの方に向ける。 カンジの眼が見開く。 バシュッ! 紫の光弾が掌から発射される カンジはギリギリでそれをかわす。頬が焦げた。 想定外のスピードだった。 やる気満々か……! カンジは覚悟を決める。サウダージの色が一瞬で黒くなる。 「燃える! 燃えるぜええ! 俺のパァトス!」 カンジの眼が赤く輝く。 ポウッと音がしてアリスの上に向けた掌の上に紫の光弾が作り出される。 それは次々と空に放たれていき 最終的に18個の光弾がアリスを中心に円状に浮遊した。 何だアレ……?しかけてみりゃ分かるか……! カンジはそう考えて攻撃に移る。 「炎の黙示録!」 球形になったサウダージの各部から雨のように炎弾が発射される。 紫の光弾が素早く動いて炎弾をかき消す。炎弾は消えるが光弾は消えない。 こっちの攻撃よりあのちっこい弾の方が強いのか…… カンジは次の手に移る事にする。 俺の今の最高攻撃力で行くしかねえな…… 今のエネルギーのほとんどを使ってやる……! 「獅子の黒炎!」 サウダージの口から巨大な黒い炎の獅子が発射される。 さすがにこれはその光弾じゃ防げねえぞ! 瞬間、ファゴットのような銃が液状化する。 アリスの腹と同化し腕に固定されたそれはさっきより銃口の大きい銃になった。 生物的な曲線を描いたそれは真っ直ぐ炎の獅子を睨みつける。 「涅槃交響曲……」 アリスが呟く。 銃口から巨大な紫の光の奔流が発射される。 真っ直ぐ炎の獅子の方に向かっていく。 「そのキャパシティ! それを待っていたぜ!」カンジが吼える。 ドッゴオオオオオオオオン! 大気が震え津波が起こる。轟音が数十キロ先まで木霊する。 海が割れ海底が姿を現す。 あまりの熱量に海の表層の水分が蒸発してしまう。 「やったぜカンジさん! やっぱ鬼つええ!」 ヨナタンが叫ぶ。イカダは今にも転覆しそうになってる。 「でも……アレだけの力を出さないと勝てない相手って事……」 キタテハが呟く。 「ハハハハハァ! さすがにくたばっただろ! あっいけねえ! 殺しちまったか!」 カンジが叫ぶ。 しかし次の瞬間紫の巨大な光弾が飛んでくる。 「なっ! 馬鹿な!俺の獅子がかき消された!? ちぃっ!」 火車を発射し光弾のスピードをゆるめ何とかかわすカンジ。 煙の先に小さなアリスの姿が見えた。弓矢をかまえている。 「まずい!」 しかしほとんどのエネルギーを使った後でうまく動けない。 サジタリウスはカンジの胸の真ん中にクリーンヒットした。 「ダグハッ!」 カンジは大量の血を吐く。 胸を貫いたサジタリウスの矢は背中と同化したサウダージ発生装置を破壊した。 推進力を失い落下するカンジ。 カンジは気を失っている。 海に落ちた。 そのまま深みに落ちていく。 アリスは冷たい無表情のままその真上に移動する。 体と同化した銃、「放課後の音楽室」が光を集め始める。 ビョウドウイン・ネプトはその時ちょうどその付近を通りがかった。 海中を魚眠洞「鮪の章」で高速移動する。 ゲル状の黒い魚の形の中では呼吸もできる。 頭上からキラキラと輝きながらゆっくり落下してくる人影を見つけた。 綺麗だ……ネプトはそう思って人影の方に向かっていく。 近づいてみるとやはり人だった。 このままでは死ぬと思って魚眠洞の中で腕を握り一緒に高速移動する。 ドゴオオオオオオン! 次の瞬間に後にしてきた海で物凄い爆発が起こる。 振り向くと海が割れている。 アリスの涅槃交響曲によるカンジをねらった攻撃だ。 しかしネプトにはそんな事は分からない。 さっさと逃げた方が良さそうだ……! ただそう思った。 ネプトは全速でその海域を後にした。 アリスは空中で静止している。 結局終始無表情だった。敵は殲滅したと考えている。 かなりの強者であったと評価するが…… 自分の敵ではなかったな…… アリスは思う。 自分が強いかどうかという事にはあまり関心がない。 他人と自分の強さを較べる事にあまり意味を見出せない。 消すか消されるか。 重いか軽いか。 全て人生は川の流れと同じ。意味なんてない。 アリスは一瞬俯いて飛び去った。その海域を後にする。 視界の端にイカダの上の二体の人間が見える。 無視した。道端の石ころは人の関心を買う事もあるが、大抵は無視されるものだ。 「無視された……眼中にないって事かな……」 イカダの上でキタテハが呟く。 「そんな……嘘だ! 嘘だぁぁ! カンジさんが負けた!? 殺られた!?」 ヨナタンが我を失っている。 「うわあああああ! ビッチェズ……!」 ヨナタンが銃をアリスにポイントしようとする。 「やめなよ! 私達じゃ勝てない!」 キタテハが銃口に手をかざす。 ヨナタンはぶるぶる震えて嗚咽をもらし頭を下げ銃口も下げる。 「畜生……! 畜生!」 ヨナタンがボロボロ泣きながら自分の脚を殴る。 キタテハはため息をついてそれを眺める。 「私達も先が長いな……」 泣いているヨナタンをしりめに遠くの空を見ながらキタテハは呟いた。 ネプトは高速移動しながらカンジの方を見やる。 その頭に角が生えている事を確認する。ネプトはハッと閃く。 この人、伝説の種族ホーンヘッド! て事はレッドラムで……生き残りって事は 相当強い可能性が高い……さっきの爆発…… 上に居た誰かにやられちゃったって事かな…… でもこの人なら母上を取り戻してくれるかも……! 早く欧州に行って療養させてあげなくては! で俺自身にも戦い方を教えてもらおう。 俺は自分の力で母上を助けるんだ! ネプトは念じて、先を急いだ。 エルサレムからイタリアに向かう道すがら、テントを張ってミナセとルナが休憩している。 ルナは少し遠くで修行している。 …岩陰に腰を下ろしてそれをミナセ見ていた。 振り返って両手で後ろ頭を支える。 「案外早いうちにエルサレム戻って アイツ等と ルナ戦わせるのも面白いかもしれないな」 ミナセは呟く。 考えが少し変わったようだ。 自分自身、急に嫌な予感がしだしたのだ。 スカイクロラ達を野放しにしていては、 その内大変な事が起こるような気が…… ゴーグルの金髪の男は悪い人間には見えなかったが そんな事は関係なく……自分は動くべきなんじゃないのか? ・『フォルテシモ第四十六話「月の夜の出会い」』 テレーゼ達はチベットの白いドーム状の建物まで連れてこられた。 建物の中でアシモ達とテレーゼは分けられテレーゼだけ 大きなスクリーンのある部屋に通される。 生きてるかどうかも分からないミナセがいる…… こんな私情が膨れ上がったヤツに殺されるんなら アイツもそこまでのヤツだったって事だ… ミナセとルナがイタリアの食べ物屋でスパゲッティを食べている。 「飽きてきたねスパゲッティ」ルナが言う。 スカイクロラというレッドラムの亜種がいる。 背中に翼が生え飛翔能力を持っている。 迫害された歴史を持っていてレッドラムを憎んでいる。私と同じだ。 私はチベットの村に出向き活きの良いスカイクロラを 10体見繕ってきた。あなたには彼らのクローン軍団を作っていただきたい。 今のクローン技術からしてオリジナルと同じ強さを求める事が 到底できない事は知っているが……目的は……レッドラムの絶滅だ… テレーゼが緊張する。汗がつうっと頬を伝う。 自分も一度はやろうとした……いや、ほとんどやったと言っても過言ではないが…… この男は何か普通とは常軌を逸している。テレーゼは感じた。 「レッドラムに恨みをお持ちなのね… **51~60話 ・『フォルテシモ第五十二話「不惑の白」』 刀で攻めまくるフユキとトキノ。オセロとバルトークは防戦一方だ。 「畜生! 棒の踊り! ミナセに似ている、なんとなく」 「ミナセ?んぐ」 ヤマギワの唇とフリーダの唇が重なる。 ・『フォルテシモ第五十三話「これも修行の一環だ」』 ロシア。 とある研究所。 傭兵レッドラム十数体による厳重な警戒態勢がしかれている。 世界が変わり人間の天下になりレッドラムはもっぱら傭兵などになり… テレポン持ってないのが救いか…… こっちは母上お墨付きの最強のテレポンを持ってる。 俺の成長に合わせて一緒に成長するという最強のテレポンを……母上は嘘をつかない。 その真価はいまだにネプトにも分からなかったが その複雑性はなんとなく理解できた。 そうだ。 道具も人間も複雑なほど強いんだ。 母上が何回か言ってた。 俺は器小さいけど、母上がいるなら…… 魚眠洞! 飛魚の章!」ネプトに左右に3つずつ緑の光の翼ができる。 空を自由に飛んで銃弾を避けまくる。俺は……逃げる! はたまたミナセ達のように種の再起を虎視眈々と狙う者など…… それはさておきカンジとネプトは岩陰に隠れてその大きな研究所を盗み見ている。 狙っているのはその研究所に保管されているという情報の新テレポン 「アナスタシア」。 ・『フォルテシモ第五十六話「最初の距離は」』 ルナはネプトから少し離れた位置で笑っている。 体ががくがくする。心臓がばくばくする。汗がだらだらでる。 何をキョドってる? たかが自分より少し背の高い女の子だぞ? 女の子? …今にも魚眠洞「裸鰯の章」を発射しそうだ。 そしたらもう俺の人生アウトだ。なんでだよ。有り得ない。 「いくよ……」 ・『フォルテシモ第五十八話「月と海の戯れ」』 中央図書館に着いた。ネプトは肩で息している。 心臓が早鐘のように鳴る。 寝てないから大分眠い。 しかし気をしっかり持たなければ。 今日できっと友達になれるかどうか決まるの… …「魚眠洞!望遠魚の章!」 ネプトの目の前に黒いアイマスク状の構造が突然出現する。 熱探知!行動予想! ・『フォルテシモ第六十話「復讐の是非」』 ・『絶対無敵フォルテシモ第69話「鬱姫と躁姫」』 ニューヨークを一人で壊滅させてエルサレムに帰ってきたアリス。 フリーダが天然全開で出迎え ガロアは二人を「鬱姫」と「躁姫」と評す。 頑張るジュぺリ達だがアリスとフリーダには遠く及ばない。 頑張る事にも、それでも届かない事にも慣れないジュぺリは焦燥を募らせていた。 **61~70話 ・『フォルテシモ第六十四話「時は来た」』 **71~80話 ・『フォルテシモ第七十二話「勝負は一瞬」』 人殺し以上の罪を犯した者がたどり着く場所。 それが魔界。 ミナセの役に立ちたい!こんな所で、立ち止まっていられない! 「生意気なんだよ!」 この人も強い。 勝敗は五分と五分だ! 「ビーィム! 紫極!」ドジュパッ! 「あ。」モアの口から最後の嗚咽がもれる。 ルナがカチンと刀をおさめた。 ・『フォルテシモ第七十四話「後ろの誰か」』 ・『フォルテシモ第七十九話「器じゃない親父と優しい支配者」』 フェノメナは微粒子になって空間に霧散した。 ・『フォルテシモ第八十話「罵り合いの果て」』 少女地獄の中は真っ白い建物の中のような場所になっている。 **81~86話 ・『フォルテシモ第八十一話「家族会議と優しい終末」』 ルナとネプトは闇の中に放り出された。 …ってライマが言ってた! お前にならできる!そんでお前は強く生きろ!」 「五月蝿いな、人質とって戦うのも本当は格好悪い気がしてたんだよね。 いっそこのまま。」カントが少女地獄を手に持って呟く。 「ミナセ! 愛してる!」テレーゼがミナセに抱きつく。 ・『フォルテシモ第八十四話「おめでとう!」』 空中に無数に手首から上の掌が現れネプトを取り囲む。 ネプトは手で顔を覆って念じる。 防御だ!… …だから無敵を保障できる。 だから安心して強く生きれる。 アゲアゲだ。…魚眠洞は邪宗門と融合する事によって 最終形態に移行するよう、テレーゼ博士によって設定されています。 ミナセとも違う。唯一無二。森羅万象の根源なのだ。 ...最後までミナセを、お父さんを信じたい。 バッハは前で厳しい顔でじっとしている。やはり隙がない …その時、ネプトのすぐ横にミナセの邪宗門がフワフワ浮いている事に気づいた。 「お前 ・『フォルテシモ第八十五話「月と海の別れ」』 「ライマも来ないな……死んだのかもなアイツも……」ユアイが呟く。 「えぐ……もぉ戦いなんて嫌だぁ……」キタテハが目をこする。 「ルナっ!」 ネプトが強い口調で言い放つ。 ルナがキョトンとする。「俺は……アンタを異母姉さんだなんて思わない! ・『フォルテシモ第八十六話「緑の帰還」』

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