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ネプト5歳

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zecre

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孤独な大学生77

残された携帯の電話番号。
ロシアの街のネオンサインが明々と灯りネプトの緑色の髪を照らしている。
ルナは自分の事をどう思ったのだろうかとネプトは考える。
現状においてルナはネプトよりずっと強いであろう事が想像できた。
そんなルナが自分に興味を持つだろうか。
ネプトは電話番号の書かれた紙をギュッと握り締めた。
繋がりがまた一つ出来た。
研究所を出てから2つ目。
幼い頃から過保護に育てられてきたが自分で関係を作るという事は
ほとんどしてこなかったネプトである。
体の奥底から歓喜の感情が押し寄せてくる。
あの強いルナが自分に興味を持ってくれた。
ネプトは頭上の月を見上げる。
青く縁取られた月は煌々と辺りを照らしている。
ネプトは指で輪を作りその中に月を入れた。
月が大きく映し出される。
「届くぞ!」
ネプトは叫んだ。
近くを通りかかった酔っ払いが怪訝な眼でネプトを見る。
「はっは!!世界の始まりだ!!」
ネプトは狂ったようにゲラゲラ笑い始める。
ルナと同じ笑い方・・・
「魚眠洞ー!!世界はすぐ其処だぜ!!」
ネプトは右腕を撫でながらその場に大の字に寝転がった。
月と数多の星が見える。
「俺はどれだ?・・・ここだ。・・・はっ・・・ゲラゲラゲラゲラ!!!」
「馬鹿みたいだよ。」
頭上から声が聞こえる。
驚いて咄嗟に起き上がるネプト。
見上げたデパートの屋上でルナが手を振っている。
「すぐ取り乱す。マイナス10点!!」
ルナは言った。
ちょうど月とルナが重なって見える。
綺麗だ・・・
5歳のネプトは思った。
「絶対追い抜いてやる!!」
ネプトはルナに向かって高らかに宣言した。
一陣の風が吹く。
ルナの姿が視界の中で揺らいだ。
次の瞬間ルナはネプトの真後ろに立っていた。
「そんな腕で?」
ルナがネプトの眉間に人差し指をポイントして言う。
酔っ払いが近くで盛大にゲロを吐いた。
ネプトは泡を食って全く反応できない。
「くすっ・・・あなた可愛いわ。だから気に入ったのよ。」
ルナが言った。
その次の瞬間、またルナの姿は歪んで
さっぱり消え去ってしまった。
ネプトは一人呆然として突っ立っていた。
「彼女は・・・夏の陽炎か?」
5歳のネプトはそう呟いた。

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