1
, ‐────────‐-、 | |.＼. ` ､ || |
（ 兄ちゃん兄ちゃん｡ ） | | ＼..`|| |
`─────ｖ───一'ﾞ＼| |､ l.|| |
＼ ＼ l.|| |
ヽ,(,,_r‐ｭ. ＼ ＼..l.|| |
? 植 ノハヾヽﾊ ＼ `!|| |
丕 ( 'A`) （ヮ｀,,ぅ,ﾊゝ ＼||_,,|
( ｀Д´), --─────‐-- .、. /´ヽl
（ 、、（ .） |ヽ＿>
<二ｌ> `ｉ＝ｌ===========ｉ＝ｌ'ﾞ |＿__,,ゝ
└.┘ └.┘
2
ｒ───────────､
|. 倉庫をあさっていたら |
、 ｌ ｌ ∠ 古文書を見つけたよ ｡ |
＿＿__ ／ `──────────一ﾞ
. ｒ‐ｭ_,,,)ノ.||古.文:| ＿
. /ﾚ'ﾉハヽ || .書:|
/ﾊｃ,,´ヮ｀）o──┘ ､ ｼﾞｬ ── ﾝ
,ｒ'ヽ'ｙ/ｌ | ヾ ｼﾞｬ ── ﾝ
く＿/￣ ﾄ--'
く,＿＿| 丕 ﾎｳﾎｳ、
(Д´ ) 読ﾝﾃﾞﾐﾚ。
ﾉﾉ ）
3
ときは桓帝の時代。
ときの大将軍、梁冀は｢火浣布」で衣服をつくり
大勢の客を呼んで宴会を催した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・
ｷｷ
(´∀｀)
∧＿∧ <ｌ ｌ> ∧∧
（,, ´∀｀） ／￣￣￣￣￣￣￣￣~＼ (ﾟдﾟ ,,)
∧∧| つ.／ ◇⌒ｿeｅｅヽ. _...,,,,,..._＼| ∧＿∧
||(,, ﾟ∀) ／ ○ ＼△三＠__＼ .＼三／ ﾞ (・∀・ ）
||（ ﾅｄ~~l _..○○_ ⊿⊿⊿ ヽと ||
┠＝>／￣' ＼＿_／＿＜⊿⊿⊿⊿＞ ⊂oO⊃＼＝┨:::::.....
|| ／ ＿ __ '''''＿ ＿:＿＿:＿＿ ＿ ＿ ＿＿ ＿ ＼::::::::.....
|￣.: ::. ￣: .: . :. . :. . :. :. : :. . :.￣￣|::::::::::::::.....
/ ;::i i::. .::;i .::i i;::. .i;:. i;::. i;:. i::. .i::. i;::. i:::..|:::::::::::::.....
4
席上、梁冀は わざと酒をこぼして衣服をよごし、
客の前で火をつけてみせた。
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. ━IIｺ━━| ;;*;;” |:|━━|:| |━━IIｺ━
|| ヽ＿__ |:| |:| .＿__ﾉ ||
|| | |:| |:|;;;｡| ||
|| ∬ 人 |:| |:|＃| ||
|| （::0;）∫| |:| | || /￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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|| (´∀｀)/|| || / ∧＿/ ∧＿/ ∧∧
|| く（ ） ﾞ || / (д´（д・ （д｀ (дﾟ,, )
. ⌒ / > ⌒. / / / / /
5
一同、唖然として 燃えゆく衣服を見守っていたが
火が消えたあとを調べてみると衣服はまったく焼けておらず、
不思議なことに汚れのない真っ白な状態に戻ってしまっていた。
梁冀は ｢火浣布」を使って、招待客たちを大いに驚かせたという。
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X X
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. ━IIｺ━━| |:|━━|:| |━━IIｺ━
|| ヽ＿__ |:| |:| .＿__ﾉ || ＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
|| | |:| |:| | ﾋﾟｶﾋﾟｶ /
|| | |:| |:| | || / ＼ ヽ / /
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|| (´∀｀)/ || / ノノ⊂（∀・ ）､（∀｀ ∧ ∧
|| ﾉ（ ） || / ┌ < (^ニ /l (дﾟ,, )
⌒ _|.|_ ⌒ / （_┌ （_ /
6
, --──────────────-- 、
| 火に焼けない布かぁ…。 |
| 一体、どういう仕組みなんだろうね。 |
`─────┐ .,ｒ────────一'ﾞ
レ'
| それはね、茶筅。
| ｢火浣布」は 言い伝えによると
ｒ‐ｭ_,,)ノ | 崑崙山の火口にのみ生息しているという
/ﾚ'ﾉハヽ ｸﾄﾞｸﾄﾞ… | 火の中にしか住めないネズミの毛皮を
/ﾊｃ ´ｰ｀） 植 ∠ 刈り取って作ったものらしいんだ。
,ｒ'＾ｌ､ｙｒo､ ヽ('A` ) `─────────────────
￣￣ヽ⌒ヽ＾'､￣￣￣￣￣￣￣￣￣ 火ﾉ中ﾆ ｲﾃﾓ 平気 ﾅ
"⌒''⌒ 火ﾈｽﾞﾐ ﾉ 毛皮 ｦ ﾂｶｯﾃｲﾙｶﾗ 焼ｹﾅｲﾝﾀﾞﾈ
7
|＿_|＿ｒ───────────────､ __|＿||＿_|＿_|＿
|＿_|＿| フン。 |.__|＿||＿_|＿_|＿
|＿_|＿| 火に焼けない布などがあるものか。|.__|＿||＿_|＿_|＿
|＿_|＿`──┐ ,ｒ──────────一'ﾞ _|＿||＿_|＿_|＿
. ||ﾞ;||//レﾞ///////////////..|| ||
;;;;;;;;;;;;;;;;;||三.三三.三.三三.三三.三三||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ﾞ||;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
_` 植 ヽ,(,,_r‐ｭ
丕 ('A` ) ノハヾヽﾊ ／￣￣￣
( ｀Д´), --─────‐-- .、 . （｀ ,,ぅ,,ﾊゝ ∠ えっ？
（ 、、（ .） ,ｒ'＾ヽ_ ＼＿＿＿
<二ｌ> `ｉ＝ｌ===========ｉ＝ｌ'ﾞ 〈＿＿ゝ
└.┘ └.┘
8
／￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣＼
| 大体な、火の性質を考えてみろ。. |
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::::::::::::::::::........ . . . ,;;'人,,ノ;ﾉヾ;,., . . ォ . . .......:::::::::
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::::::::::::....... . . . ,ノ (,.ﾉ,､ヾ , .,;ﾉ （;. （:, ,）:. オ. . .. .......::::
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;:;:;:,;从) ）,,ﾞ、 ； 人从）、 ∴ '' '' ;人:.）,､从ﾉﾞ(:;:;:;, :;:
;:;ノ人;ノ｀（ ;:. 人ソ イ;#)ノｌ ,);ノ ;､ 人;., ;:.ヾ:;;. て
;;ﾝ ﾉ从 人:. ノ ノ,: 人 ﾞ:,(ノヾ;从,:; ；ﾞ そ
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火は本来の性質から言って 容赦なく焼き尽くすものである。
従って、火の中で生き物が棲息することは到底、不可能だ。
つまり、火中にのみ棲息している火ネズミなんてのはありえないのだから
火ネズミの毛皮から作られる｢火浣布」なんてものは そもそも存在しえない。
9
ｒ─────────────────､
| 結論。 |
| その古文書はとんだインチキ本だな｡ |
`──┐ ,ｒ──────────＼∧∧∧∧∧∧∧∧／
. レ' ≪ えーーーーｚ__っ ≫
ｵｶﾙﾄ好ｷ ﾉ ｸｾﾆ ／∨∨∨∨レ'∨∨∨＼
ﾅﾝﾃ ﾛﾏﾝ ｶﾞ ﾅｲ… ,
植 ヽ,(,,_r‐ｭ て
丕 ('A` ) ノハヾヽﾊ
( ｀Д´), --─────‐-- .、 （Д｀,,ぅﾊゝ |ｌ
（ 、、（ .） ｒ´ヽ_ヽ. ||ｌ
<二ｌ> `ｉ＝ｌ===========ｉ＝ｌ'ﾞ 〈ヽ_ノ__ゝ
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.､ |、 ! / ,| ,
＼l ＼人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_／.l,／
Ｚ あ り え な い ん だ よ 。｢火浣布」は。 Ｚ,
＜ アナルバイブが使えなくてスカリバーも手に入っていない段階で ＞
-＝ なぜかバストダンジョンでリリカのおっぱい値を８００近くまで ＝ー
Ｚ 調教強化してフラグ条件を満たしているプレイヤーと同じくらいに！！ Ｚ
／ｌ^Y⌒W⌒Y⌒⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒＼ ｒ'⌒W⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒W⌒Y⌒Ｖ＾ｌﾞ＼
＼|
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／.､ ┃ ┃
| | ／ | ヽ ━┛ ┗━
| | ,. ──┴── 、
| |. ／ ＼ L＿＿」 ／ ＼ ━┓ ┏━
| | / |. | 丶. ┃ ┃
| | | | |. ヽヽ | | ヽヽ | | |
| | | | | | | .| . | | |
| | | | .ヽ ﾉ--―--ゝ / | | | |
| | | | |. ＼ ／ | | | |
| | | | |. ＞ ＜. | | | |
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| いつにもまして |
| エライ自信だなぁ… ｡ |
`────ｙ────一ﾞ
＼ ／
丕
( ｀Д´) ヽ,(,,_r‐ｭ
<（ ﾉ￣ ｳﾝ ノハヾヽﾊ
/ ＞ 植 （ｰ｀ ；ぅﾊゝ
／ ＼ (A`；) ∩,へ_,
＼l､人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人,ｨ,／
＿＞ 黙れ。なんなら、おれ様の言質を 石碑に刻んで ＜＿
） 子々孫々の代まで残したっていいんだぞ。 （
￣＞ 論理的に言って｢火浣布」なんてありやしないんだから！！＜￣
／ｌ^Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Ｙ⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y＾l＼
12
そして ときは進み
曹魏三代目皇帝 曹芳の時代 ────
＿＿＿＿＿＿＿__ ,ｒ'￣ヽ
＿＿＿＿＿（ ＿＿＿＿＿＿） ゝ,,, .ノ
（＿＿＿＿＿＿＿）
（￣￣￣￣￣￣￣）＿＿＿＿__
￣￣￣￣￣（＿＿＿＿＿＿__）
(ﾞ､.＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿ノ)
／ＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴＴ＼
／ l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l. ＼
. (ﾟゝ／ l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l .＼ノﾟ)
＼_.二二二二二二二二二二二二二二二二二二二二__／
. | |
. | |
13
長いあいだ途絶えていた西域との交流が始まると
朝廷に再び、火浣布が献上されたのである。 ────
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（ あったみたいだよ。 ）
`──────ｖ──一'ﾞ
ﾐ⊂⊃ﾐ ,ｒ'⌒～⌒～'⌒ヽ
材料ﾊ 火ﾈｽﾞﾐ ﾃﾞﾅｸﾃ （, 植 ,）
石綿（ｱｽﾍﾞｽﾄ）ﾀﾞｯﾀｹﾄﾞ… 植 （, ﾌﾟﾌﾟ( ´艸`)ﾌﾟﾌﾟ,）
('A` ) o Ｏ～ー～ｰ ～ー ﾞ
ﾐ⊂⊃ﾐ ﾉﾉ ）
,r'⌒ヽ⌒,～⌒´⌒´⌒` '⌒⌒,r'⌒ヽ⌒ヽ
┼┐ 丕 （ υ ) ） 三
┘┘ア ￣￣ (* Д) ￣￣ ･･/ ヽ､_, ）_,)、_, _,)ヽ(_, ）__, _,)、_,) __, _,)、 (_,、) ー
⌒ヽ ⌒⌒ヽ⌒, ⌒ヽ,（ ）、⌒⌒,ヽ
（ ⌒ヽ ⌒ _| |_ ⌒ヽ ⌒ヽ
ヽ （ , ）
（ 丶 （ ） ﾉ
14
○
＼ ／ ｌ ）
γ⌒ヽ ／ ､○, (⌒"⌒⌒⌒⌒")
（ .） 只 (⌒＿,, ⌒⌒")
(⌒⌒⌒"⌒"⌒"''ヽ "" (⌒ ＿----"---""
⌒" ⌒⌒"⌒''"⌒ヽ ""
＿,,,,--( ＿,,,＼l､人_人_|＼人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人_人l,／
Ｚ うるさい、うるさいっ！ Ｚ
＜ あんな布をありがたがっているヤツらはだな！ ＞
Ｚ アスベストを吸って、早死にしてしまえばいいんだ！！Ｚ
⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒
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~ .| :::::|.
| 石 ::::::| 曹丕の無知ぶりは
| :::::| 天下のさらし者になったそうな。
| 碑 :::::|
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ｷﾞｬﾊﾊﾊﾊ (´∀｀)ノ .| ,,≦≧､ :::|
〃 ( ). | ｷｷ∥===∥旦::|
(*＾Д＾) (Д´ )ﾉ二二二二二二└---- ﾌﾟｯ
(ヽ )ヽ -（ ） （ ´,_ゝ`） （´<_,｀ ） 火ﾆ焼ｹﾅｲ布ﾊ
ｷｷ > > / ヽ 〃 / | | ヽ ｱﾘｴﾅｲ ﾉ ﾀﾞﾄｻ
