「休んでいる暇はないわよ浅田、出撃!!」

「ひぃ~~」

(さらに燃えるキノウツン藩王婦人)




T12以降のメイド喫茶紹介

青竜刀 「メイドさんと大きな青竜刀」

世にも珍しい青竜刀喫茶成ものがでできた。

土地じゃないじゃん!

と思うかもしれないが、
火焔の周辺環境に青竜刀があるんだから仕方がない。

 そのメイド喫茶では全てのメイドさんが青竜刀を携えていた。

 身の丈よりも大きな青竜刀である、当然重たく、背負うしかない。
しかしメイドさんたちは青竜刀の重さで遊ばれる――なんてことはなかった。

「二番席! シュウマイ行くアルよ!」
「はいなっ!!」

 キッチンのメイドさんが、青竜刀を振るとせいろに蒸されたシュウマイが空を飛んだ。
 そのシュウマイをやっぱり青竜刀で鮮やかに受け止めるメイドさん。
 円を思わせる動きで、シュウマイのスピードを完全に殺していた。

「シュウマイお待たせアルよ!!」

 そして、語尾は不自然にアルだった。

「はいーやあ!! 百獣百連剣!!」

 すさまじいスピードで肉が切られ、薄切りにされていく。

「紅蓮青龍炒め!!」

 そのまま青竜刀の上で炒められた肉は、

「真・打穴三点返し!!」

 皿の上に繊細かつ大胆な飾り包丁つきで盛られていく。

「見たか! これぞ美来斗利偉・料理剣の神髄!!」

 じゃーん、と何処からともなく銅鑼の音が鳴った。

 キッチン、そしてサービス、あらゆるものが青竜刀一本で行われる。
 それこそが、青竜刀喫茶。

 その神髄を目にしたければ一度門を叩くのも良いだろう。

...それまでにつぶれてないと良いけど。

(はる)

リゾートホテル・巨大ホテル「ホテル・パーク・ハーヴィ」

キノウツン藩国リゾートホテル、
その扱いは他国とは少々様子が違い、正式には「宿泊施設付きメイド喫茶」として扱われる。
つまるところリゾートホテルもまた、キノウツンではメイド喫茶なのだった。
パーク・ハーヴィ内にはもちろんメイド喫茶があり、レストランもあり、宴会場もあり、それら全てをメイドさん(とホテルマン)が取り仕切っている。
むろん、清掃からベッドメイクなどもである。
身の回りの全てを取り仕切る宿泊施設は、格好のメイド修行の場所でもある。
パーク・ハーヴィで研修を積み、全国へと配属されるメイドさんも少なくはないのだった。
なお、ホテル自体が大規模なため、メイドさん達も用途に合わせた衣装を着ている。
クラシックなメイド服、エントランスではスーツ姿のメイド服、運転手風のメイド服 etc...
衣装の違いによって呼び方が違ったりするのだが、その説明はまた別の機会にするとしよう。

あらゆるメイドさんが見ることができる。
それがホテル・パーク・ハーヴィである。

(はる)

小さな教会「ホーリーローリ-」

教会に設置されたメイド喫茶。赤レンガを基調として作られた店舗は潮風と強い日差しにも耐えられるよう、
普段はチャペルとしても機能しており、朝・夕のミサと昼の聖歌タイムにはリゾートホテルの宿泊客が見物にやってくるらしい。
メイドシスター達による賛美歌も自慢の一つ
もちろん通常の教会としての業務も兼ねており、懺悔や結婚式にも利用される。

制服は前述の通りシスター対応のメイド、メイドシスターである。
修道服をモチーフに作成された制服は、黒と白の二色に十字架の意匠を加えたデザイン。


(高原鋼一郎)

送迎バス「めいど観光」

「え~、右手に見えるのがーメイド喫茶でございます」
おーっと言う声。
「左手に見えるのがー左手でございます~」
おーー。
「えー、キノウツンの観光地はメイド喫茶だらけなんて噂もありますが。
あたしから言わせればキノウツン自体がメイド喫茶だらけという話でして...」

 添乗員とメイド服を足して2で割ったようなメイドさんは、弁舌なめらかにキノウツンを案内する。
 リゾートホテルと各地のメイド喫茶を巡るこのバスもまた、メイド喫茶であった。
 バス内では、じゃんけん大会、カラオケ大会などのレクリエーションが開かれて、長旅で疲れたお客様へ癒しを提供している。
 映画も見ることが出来るのだが、あまり使われたことはない。
 みんなメイドさんと遊んでる方が楽しいらしい。
 メイドさんも、映画流して休憩しているより、みんなと遊んでる方が働きがいがあるらしい。

「それではここで、不肖わたくしめが一曲歌わせていただきます。
みんなっ 聞いてください!」

 キノウツンの送迎バスは、明るい笑いでいつも満たされているのだった。

(はる)


宇宙・宇宙船「スターダスト」

 名物料理はラザニアである。

 それはさておき、宇宙空間を模した喫茶店は、
床がガラス張りのモニターになっており、人工衛生から映されるteraの映像が常時流れる仕組みになっている。

 闇に光るteraと、天井に瞬く人工プラネタリウム。
 まさに宇宙そのものの喫茶店。

 初めて訪れる客はその壮大さにまず息をのみ、次にめまいを起こしてへたり込む。
 そんな、すいすいと動くのはやっぱりメイドさんである。
 どことなく近未来的で、未来のメイドさんという感じの出で立ち。
 泳ぐようにすいーと動いているのは、ヒーリングシューズ(ローラー靴)を履いているからだが、足下の地球のせいで、まるで無重力状態で泳いでいるかのように錯覚してしまうのだ。


 メイド喫茶らしくスペースオペラなサービスも各種取りそろえているが、とりあえずは、何も言わずコーヒーを飲んでみることをオススメする。
――宇宙ステーションから飲むコーヒーとは、きっとこういう感じなのだろう
か。
 そんな気持ちを体験できることだろう。

 それは少し心細くて、ちょっとだけ苦い。

 だが、今はこの味が最高なのである。

(はる)


海辺「うみのいえ」

 アイドレスとしては取得していないが、海辺があれば海の家はあるのだ。
 そしてキノウツン藩国では、それはメイド喫茶なのだった。

「目指せ大観光地入り、」

――と、のれんにかかれた掘っ立て小屋。

 外では海辺の賞金稼ぎ達が、まだ見ぬ財宝を求めて潜水活動をしている。
 そのちょっと向こうでは、サーファーもいれば海釣りをしている人もいる。

 危険というか無法地帯だった。
 まあ、いまのところ軍人しかいないので問題にはなっていない。

 まんま、海の家な「うみのいえ」を営業しているのは、麦わら帽子の似合うメイドさんだった。
 なかなか不思議なメイドさんで、サービスが悪いわけではないのだがあまりしゃべることはない。

 すぐ休んではチューペットとかかじってたりしていた。

まあ、男にとってはメイドさんがいればオールオッケーなので問題ない。
さらには「伝統」と言い張っては、まずい焼きそばを作ったりするのだが、これも軍人にとっては食べられれば何でも旨いので問題がなかった。

 なお、たまに海水浴に来る軍関係者とかには普通に旨い料理を振る舞ってくれる。

 焼きそばは、本当にわざとまずく作っているらしい...

(はる)

火焔「???」



「なっ、」

青狸の部屋で馬鹿でかい声が発せられる。

「なんでこの写真がここにあるんだっ!?」

「えへへ、いいでしょう。浅田にもらったんだ」

 そこにあるのは、メイド姿で写る火焔の写真だった。
 本当に嬉しそうに言う青狸。

「あ・さ・だ・の・や・つ・う!!」

 拳を振るわせて天井(上の階)を見上げる火焔。
 その様子をじっとみる青狸に振り向いて、火焔は顔を真っ赤にした。
 写真立てをたたき割って外へ放り捨てる。

「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

「すっすす」

「なにするんだよーー!!」

「捨ててしまえこんなものっ、違うんだ!!」

 両手をぶんぶん振る火焔、青狸は半目になって。

「なにがさ」

「あ、あれは浅田と遙が似合うからとかいって無理矢理だなっ」

「えーー。でも火焔の方が力強いし、無理矢理なんて絶対ウソ...」

「地雷いーち!」

「ぎゃーーーーー!!」

 突き上げた拳の背後を、青狸がのけぞりながら吹っ飛んでいく。
 俗に言う車田飛びだった。

「ぐ、ううう...」

 なんとか立ち上がる。
さすがに、地雷一個ぐらいでは死ななくなったようだ。

「でも、捨てるなんて勿体ないよ。せっかく、メイドさんの格好してくれたのにぃ」

「だ、誰が好きこのんでするかっ。アホかっ、あ、あほぉ!!」

 案外本当にそう言われて着せられたのかもしれない。
 ちなみに、自分の恋人にメイド姿をしてもらうというのは、キノウツンの男なら誰もが夢みるロマンであった。

「ほんとだって、ぼくあんなメイドさんなら、ずっと一緒にいてほしいなあ...」

 ほがらかに言う青狸。
 火焔のメイド姿を妄想して、その他一切考えてなさそうである。

「――ほんとか?」

「え?」

「本当に、あたしがメイドさんのかっこうすれば、
一生、一緒に――死ぬまで、

 その、

いたくなるのか!?」

 問いつめるような、どこか迫力のある言い方だった。
 耳まで、真っ赤な顔が近い。

「え、えっと」

 青狸は考えた。なんか知らんが答え方を間違うと地雷っぽい。
 そして、ひとつ頷いてこう答えた。

「いや、そんなホントに火焔にメイドさんしてもらうなんて、悪いし。冗談だよ冗談。」

 朗らかに、それはもう朗らかに笑う。

「一生とかそんなこと考えてもないからさ、大丈夫。
だってぼくと火焔は――」

 そこまで言ってから青狸は、目の前の火焔が――先ほどとはたぶん違う理由で、
真っ赤になっているのに気づいた。

 ははーん、本日2個目だな。と、さすがに青狸でも気づいた。
 気づいたときには火焔は拳を振りかぶっていたが。

「この、おおおばかああああああああ!!!」

 この日、ツン荘の天井が抜けてえらいことになった。
 ちなみに、保険は下りなかった。

 (はる)



法官省「JUDGMENT」

「はんけつをいいわたしますー」

コンコン。

「お客様第1376号は“毎日同じメイドさん呼び出してひとりじめしようとしちゃった”罪で、30日間の指名権剥奪の刑にしまーす」

「ひぃいいい! 横暴ですぞーー」


コンコン。
「裁判官に意見しちゃダメなのよー
 陪審員全員で満場一致だったんだから、おとなしくしなさいー」

「そうだーー」
「往生際が悪いぞー」
「ちょっとマイル持ってるからって、連日指名しやがってー」

「てめ、なにが陪審だー、おまえらもノーチェさんときゃっきゃうふふしたいだけじゃねーーかーー」

コンコン。

「はーい、きりきり出ていくのよー。次の裁判はじまるよー。
傍聴の人はドリンクの追加注文あったら今言ってねー!!」

 何者にも染まらないという意志をしめす黒の法衣。
 それを着込んだ幼いメイドさんは、こほんと咳払いをした。

コンコン。

「ではつぎの裁判はじめまーす。被告人前へー」


(はる)

駅ビル「共和国環状線キノウツンステーション」

キャッチコピーは【お茶とメイドとコーヒーと拳銃】

その計画は、一見無茶にも思えた。
駅ビル、いや、「駅そのもの」をメイド喫茶にしてしまう計画。
しかしそれは完成したのだった!

ホームを降りれば、そこはメイド喫茶。
いきなり、問答無用でメイド喫茶なのである。
列車を降りれば、漆黒のメイド服に身を包んだメイドさんが「おかえりなさいませ」の挨拶してくれる――
誰もが見た、紳士の夢をこのステーションはかなえてくれるのだ。

そう、我々はみな帰ってくるのだ。
メイドさんが待っているキノウツンへと。

なお、メイド服のデザインは食堂車と同じく青狸デザインによるものである。

大法官、はりきりすぎ。

(はる)

研究室「飛梅」

 白衣を着たメイドさんが、ガラステーブルを縫ってコーヒーを運ぶ。
研究室に備え付けられたメイド喫茶は、利用者の性質を反映してか簡素で飾り気もないカフェテリアである。
 ちなみに、カフェテリアとはセルフサービスのカフェのことである。

もっとも。

 コーヒーはセルフサービスだったが、食事は給仕――メイドさんが運んでくれる。
 ちなみに従業員は主に新人研究員によるアルバイトである。
何が楽しいのか、たまにベテラン研究者がメイドさんやってたりもした。

 簡素と入ったものの、中心には丸柱型の大型アクアリウムが配置されている。
その中を泳ぐのは、色美しい熱帯魚――ではなく、蓄電状態の飛梅雷球である。
 ピカピカと電気を蓄えて光る新素材、飛梅雷球。
それらが数個吊されて、萎んだり膨らんだりしながら発行している。
 燃料問題の切り札かもしれない飛梅雷球をインテリアに飾ってるところなど、いまのところここぐらいのものであったが、見た目が面白いらしく研究員達の評判はいい様子だった。
 今後、観賞用途での開発もあったりするのかもしれない。

(はる)

荒野「ピースメイカー」


 キノウツンの辺境には荒野があり、そこでは今なおガンマンの町があるという。
――嘘ではない、本当の話である。だって見てきたもの。
 さておき、そこではホットパンツにダンガリーシャツ、ウェスタンハットを阿弥陀にかぶり、シェリフスターを胸に掲げたメイドさんが、荒くれ者達を相手にメイド喫茶をしているという。いや、ホントだって。

 あ、銃声。
 ちなみに、メイドさんはコルト・シングルアクション・アーミーの達人であるので、迂闊に声かけたりしないように。

 あなたが西風を追いかけて未開の地を目指す開拓者なら、一度立ち寄り、スウィングドアを押してみるのもいいだろう。
 そこは最後のフロンティア、全て懐かしき荒野。
 メイドさんは、いつでもあなたの帰郷を待っている。

(はる)