メイド喫茶事業計画案
  • 目的
国内経済の柱として、以下の条項を行う。
  • 国内でのメイド喫茶普及、及び充実
  • その後の国外展開を視野に入れ、メイドの養成を行う
つまり、メイド喫茶の復活を目指す。
この計画に、キノウツン藩国国庫より6億の資金リソースを消費します。
消費額の根拠
根拠2

キノウツン藩国といえばメイドの国。そう言われたのも遥か遠い昔の事である。

かつて栄えたメイドの国は遠く、ムラマサ事件を経てキノウツンは人のいない国となった。
誰もが思った。ああ、またか、と。
誰もが思った。今度こそあの国は終わりだろう、と

だが、諦めない人々はまだいた。
彼らは知っていた。自分達が諦めない限りそれは終わりではないのだと。

「また最初から始めればいいのだ」と。
こうしてキノウツンは何度目かのメイド喫茶復活の為に、動き出したのである。

  • 場所造り
まず既存の建物は人口不足に伴い、砂の下になっている。
足がかりとして目をつけたのは国民帰還用に作られた仮設住宅であった。
生活に欠かせない水。砂漠では特に貴重であるオアシスのほとりに建てられた仮設住宅は言ってはなんだが、生活をするためだけの場所であった。
「集まってきた人々の心を癒そう」との心遣いをまずは自分達で行おうとしたのである。
沢邑と浅田はどこかから骨組みになる鉄パイプと厚手の布を貰ってくると、仮設住宅の横にそれらを組み上げる。
その中にやはりどこからか持ってきた椅子と机を置いて、キノウツンメイド喫茶の復興第一歩は踏み出された。
砂の除去や、水汲み。移民してきたばかりの人々をお茶や熱いお絞りで労い、わずかでも明日への心の糧を取り戻してもらおうと考えたのだ。

やがて人が集まり、少しずつではあるが砂の除去が進むとかつての店舗なども姿を現すようになった。
これらも再度店として使えるよう、資金を投入しての整備が進められることになる。

  • 人集め
次の問題として、メイド喫茶なのだから当然メイドが必要である。
人員募集とメイド教育、そしてメイド喫茶再開の為の予算案について青狸・浅田の摂政間で議論を行い、議会で提出され可決・承認。
早速住民を呼ぶために宰相府でのポスター掲示や移民呼びかけが開始された。


(栄えある新生メイド第一期生達による移民呼びかけの図)
新たな住民が集まること。それは再びキノウツンにメイドを蘇らせるための第一歩でもあった。

  • 授業
早速集まった希望者に向けて、メイド長である浅田と喫茶での実務経験を買われた沢邑がメイドにとっての必須項目を教えにかかった。
挨拶を含めた礼儀作法やお茶の注ぎ方、掃除、スカートをいかに必要以上にひらめかせないかなどの歩き方。
それら彼女達が教えられる限りの事を書き写し、綴りにして教本とした。

(コーヒーの入れ方について教える図)

持ち込んだ黒板や机、椅子の前に新たなメイドを志す人々が集まる。
教鞭をとる二人のメイド達は初日の授業で以下のようなことを言ったという。

沢邑:「最初に言わせてください。私は皆さんがやってきてくれたことが大変に嬉しいです。メイドになってみたいと思ってくれる人がこんなにいてくれて嬉しい」
浅田:「メイドとは振る舞いです。どんなに美しく見えても、その影では美しく見せるための努力を行わなければなりません」
沢邑:「メイドとして生きていくには辛いこともあると思います。でも、それ以上に楽しいことも一杯あります。その事を忘れないで下さい。 メイドとして生きていく為に覚えた事は必ず糧になります」
浅田:「時に主の木陰となり癒し、時に花を見せ安らぎを与え、果実をもたらし主を満たすけれど、そうなるには基礎となる根(鍛錬)は広々張らねばなりません、それが」
沢邑:「いいですか、本当のピンチで最後に頼りになるのは友情・努力、そして」
「「―メイドの心です」」

(浅田メイド長、教鞭を振るうの図)

経験を積んだ候補生達は、各店舗での実習経験を積みながら正式配属され、新たなメイドとしての一歩を踏み出すことだろう。

  • 新たな試み
(お客様を出迎えるメイドの図)

さて、国内店舗のみでは将来的に働ける人員の限界や売上げの頭打ちなどが起こるのは明白である。
将来的な全国展開のテストケースとして、サテライト店舗を羅幻王国の大型商業施設へと開くことにした。
産業展示終了後も、研修や新しいメニュー等の試験投入を行うことで新たなケースの誕生となるはずである。

そしてメイド服。
メイドにとっての舞踏服。それがメイド服である。
キノウツンのメイド服は、職場となる環境によって様々あり、その種類も多様である。
それでも、ベーシックとなるデザインは存在する。
今までと違う新たな一歩を踏み出そうと言う事で、外注する事になった。
本来ならば、国内できちんと制定され、藩国の顔となるものである。
それを外から決めると言う事で、今までとは違った開かれたメイドと言うイメージを表す狙いもあった。
イメージデザインは、ナニワアームズ商藩国のThe distortion moonに依頼された。
店主の技術、およびバックアップするナニワアームズが生み出す、メイド服の素材となる上質の生地が理由である。
完成の暁には新しいフォーマルとして、メイド喫茶を彩ってくれるはずである。

また、国内のメイド喫茶はかつてはるという男が記録し続けた一冊の本を元に衣装や店の修復が行われた。
詳細が判らなかった細かな部分も彼が絵にしていたため、導入することが出来たのだ。


もう一度キノウツンからメイドを。
その試みが成功するのを心より願う。

文章:高原鋼一郎 蓬莱山
イラスト:沢邑勝海