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新素材の開発

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新素材の開発


L:新素材の開発 = {
 t:名称 = 新素材の開発(キノウツン藩国版)(技術)
 t:要点 = 蓄電池,研究者,新素材
 t:周辺環境 = 研究室
  t:評価 = なし
 t:特殊 = {
  *この新素材(地熱電池)を使うことで燃料を得ることが出来る。
  *新素材を使うことで藩国内の燃料を生産する全ての施設はそれぞれ燃料生産が+10万tされる。
 }
 t:→次のアイドレス = マグマ発電システム(施設),地底の開発(イベント),マグマダイバー(職業),大規模地下発電施設(施設)

燃料生産地のHQ継承で燃料生産ボーナス+5万t:第2世代(参照記事
西国人+猫妖精+猫妖精のHQ継承で燃料生産ボーナス+5万t:第3世代(参照記事
これにより、以下のように燃料生産が+されます。
燃料生産地に+20万t
燃料精錬所に+20万t

設定文

/*/

 物資とは、大事なものである。
どれくらい大事かというと、なければ生活すらままならない。
故に、いつどこの時代も物資の産出は最重要視されてきた。

――それは、キノウツンでも同じ事であった――

 その日の会議室は慌しかった。

「だから、燃料問題に対する抜本的な改革を進言する!」

アシタスナオがこんな事を言い出したのである。
アシタスナオといえば、燃料生産地、及び精錬所の所長である。
そのアシタスナオが、燃料について、改革をするというのだ。

 手始めに、会議参加者の手元にとある資料が手渡される。
その数枚は元々は猫の国だった、悪童同盟の燃料に関するデータである。

「これを見てくれ。悪童同盟の燃料問題は、太陽電池に解決を求めた」

会議室のホワイトボードの前で、ペンを走らせながら、説明を続けるアシタ。

「見ての通り、太陽光発電だ。おそらく太陽熱発電ではない。この二つは別物なので間違えないようにな」

どうでもいい話を交えながらも、淡々と説明を続けると、一人の高官が問いかけた。

「それはいーんだがよう、じゃあ俺たちも太陽光発電でもするのかー?」

その瞬間、待ってました、とばかりにアシタはホワイトボードをひっくり返す。

「逆だ。ここで着目したいのは地上だ。地熱発電というものがあってな」

 地熱発電。
地熱を利用して蒸気を発生させ、タービンを回す発電の一つである。
会議参加者に、地熱についてのデータを見てもらいつつ、それがどういうものか、解説していく。

「知ってるか? 太陽光発電も地熱発電も、再生可能エネルギーなんだ。
 なおかつ、そのエネルギー数は太陽光発電を越える可能性すら示唆されている。
 さらにいえば、この発電には火山が好ましいわけだが…我ら西国には、あるよな?」

ニヤリと笑うアシタ。突拍子もない燃料改革計画であったが、
燃料は大いに越した事はない。まあ、やってみればいいんじゃない?という会議の可決を皮切りに、
燃料改革はスタートした。

 そして所は変わって、燃料精錬所併設の研究所。
ここでは、ライゲツ油の研究が行われていたが、今は燃料改革の為の研究も行われている。
「さて、地熱発電の研究をするぞ。まあ、更に理想的な物として、マグマ発電なんてのがあるわけだが…
 …まあ、いきなりやってもダメか。まずは地熱からやろう」

 さて、地熱といっても幾つか種類があるわけだが。
アシタが目をつけたのは、性格には地熱そのものではなく、高温岩体発電という発電方式である。
地下に埋まっている、高温の岩体を水圧で破砕し、そこに水を通す。
その後、そこから得られる蒸気や熱水が得られる。その蒸気によってタービンを回す発電方式だ。








既存方式とあわせれば莫大な電力が賄えるという発電方式であるため、実現させたい物である。
ちなみにマグマ発電だと更に膨大な電力が得られるのだが、そちらは研究中である。

 アシタはすぐさま、火山の近くに発電所の設立工事を命じた。
燃料生産地、燃料精錬所と繋がるようには配置できないものの、連携を取らせた。
後は、その生み出した電力の蓄え方であるが…そこで出てくるのが精錬所で作られた新素材。

/*/

 燃料精錬所内併設の研究所。
ここで日々研究されているのは、精錬次第で多くの性質を持つようになるライゲツ油である。
そしてまた、今回も偶然ながら、新しい性質を持った新素材が生み出された。

「すまん、会議で遅くなった。例のものは出来ているか?」

バタバタとスーツ姿のアシタが、白衣を着込みながら研究室に入ってくる。

「ええ、もうそろそろ来るだろうと思って、用意させておきましたよ」

 横で装置を操作する女性研究員。
目の前には、ケースに入れられた丸い物体。ややしわしわが目立つソレは大きくなった梅干にみえた。
大きさは、バスケットボールぐらいだろうか。そして、その物体には電極が貼り付けられている。

「OK、じゃあ、やってくれ」

 アシタの号令とともに、その物体に電気が流される。
するとどうしたことか。その物体が電気を吸収し、逐電していくではないか。
先ほどまでしわしわだったその形も丸く、張りが出てきており、大きさも一回り大きくなっていた。

「…よし、一度止めてくれ」

 電流がストップする。電流が流れなくなった後も、その物体は大量の電気を蓄えていた。
大きさから言って、I=Dなどにも搭載できそうなサイズである。

「ふむ…ここから電力を取り出すのは簡単に出来るんだな?」
「ええ。溜め込める電力量も半端じゃありませんし。とてつもなく膨大な充電池だと思って結構です。
 もし電力を使い切っても、溶液を使えばすぐに元のライゲツ油に戻ります。
 その元に戻ったライゲツ油をしかるべき動力システムに回せばそのまま補助動力に使えますね」

 アシタの問いにすらすらと答える女性研究員。
そう。何の偶然か、ライゲツ油は特殊な精錬を行う事により、高い蓄電率を誇る充電池に変化したのだ。
そして、丁度、アシタが地熱発電を推進している時に、である。
地下から取り入れた蒸気で発電し、その電力をこの物体で蓄電。
使用用途にそって、I=D、又は送電施設で使用すれば、国の燃料問題が改善されるだろう。








 そんな研究室のドアが開き、誰かが入ってきた…と思いきや、アシタが振り返っても、誰もいない。
いや、よく見ると足元に王猫のデレがいた。アシタの足にすりよっている。

「あー。デレ様、そういやお食事の時間でしたね。今用意しますからね~」

 そういってデレを抱えて研究室を出て行くアシタ。
研究の産物がエネルギー問題を解決できそうな嬉しさに小躍りしながらデレを抱えてくるくると、
メイド喫茶へとなだれ込んでいった。

――デレ様、どうやって城からここまできたんだ――

研究員達の疑問に答えられる者は、ここにはいなかった。

 デレの食事も済ませたアシタが戻ってきたのは、それから1時間ほど後であった。
どうやらアシタも食事を済ませてきたらしい。

「さて、それじゃあ、いつまでもこの物体に名前がないってのも困るな」
「そうですね、では、所長が命名のほうをお願いいたします」

 そう返されて、アシタはじーっ、とその物体を見る。
電気が空っぽだと梅干みたいで、電気が貯まると丸々と張りがでて妙な伸縮…電気…雷…梅…
その瞬間、アシタの頭の上に電球がひらめいた。

「アッー!」

 急に奇声を上げるアシタの姿をみて、周りの研究員はとうとう頭がおかしくなったか、と思わず飛びのいた。
だが、どうやらそうではなかったらしい。

「そうだよ、電気=雷で、梅と来たら天神様じゃあないか!
 となれば、天神様にあやかろうと思うのだが、どうだろう?」

 アシタは天神様、菅原道真公のお世話になった男である。
それゆえ、他の国民よりも天神様を信仰しているのであった。
結果、電気を溜める大きな梅みたいな物体にそのままの名前をつけてしまったのだ。

そう、その名を――飛梅雷球――と。

/*/

 火山の麓から少し離れた場所に、発電所が完成した。
地下の高熱岩体に、水を送り、帰ってくる蒸気や熱水を取り上げ、蒸気で発電する。
そして、発電した電気は、大量生産された飛梅雷球に蓄電され、蓄電された飛梅雷球は国内中に回される。
政庁や、I=D倉庫、国民が住む住宅街など。人の営みに電気は欠かせなかった。
I=Dについては、飛梅雷球を搭載できるよう、動力周りの改良を加えられた。
無論、今までの動力でも動かせるよう、いつでも切り替えられるように、換装式が選ばれた。

現在、この新発電方式によって、燃料問題は解決を得た。
その電力の蓄電方法、使用方法も、新素材である飛梅雷球のおかげで解決した。
だが、これもいつまでもつかはわからない。この世界は先行きが見えない。
だからこそ、技術革新は必要なのである。
燃料精錬所内にある燃料研究所が、研究するものがなくて暇といった状況になる日は、まだまだ遠いようである。



(文:アシタスナオ イラスト:VZA)

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